2006年9月28日(木)「しんぶん赤旗」
東京大気汚染訴訟きょう結審
被害者救済へ集会
|
「東京大気汚染公害訴訟」が二十八日に東京高裁で結審するのを前に、公害被害者や支援者らが二十七日、「早期全面解決をめざす大集会」を千代田区内で開き、八百人が被害者の救済を勝ち取る思いを固めました。
同訴訟は、都内のぜんそく、慢性気管支炎、肺気腫患者六百三十三人が「健康被害は自動車による汚染物質が原因だ」として国、都、首都高速道路会社、ディーゼル自動車メーカー七社に対し、損害賠償や汚染物質の排出差し止めなどを求めたもの。
集会では、原告患者の小沢廣子さんら四氏が一九九六年の一次提訴から十年余のたたかいについて、「苦しい発作で参加できるだろうかと思い、迷いながら立ちあがった」、「入退院を繰り返すなか、多くの人の支援があったからこそ、たたかってこれた」と発言。
原告弁護団の西村隆雄弁護士が報告し、「被害者の必死のたたかいが、交渉を拒んでいたメーカー側を席につかせるなど、情勢を切り開いてきた。運動をさらに広げ、全被害者対象の救済制度をつくらせるなど、判決を待たずに救済を勝ち取ろう」と呼びかけました。
「勝利をめざす実行委員会」の清水鳩子委員長、原告団の石川牧子事務局長らが「患者は発作で何日も食事できず、尿を垂れ流す苦しさのなかで、被害を訴えてきた。結審を機に、新たなたたかいを進める」(石川さん)と決意を表明しました。
集会では、トランペット奏者の松平晃さん、歌手の橋本のぶよさんも大気汚染の全面解決への思いをうたいあげました。