2006年9月28日(木)「しんぶん赤旗」

日本負担・グアム米軍住宅の利用

沖縄以外の部隊も

太平洋軍計画で判明


 在沖縄米海兵隊のグアム移転計画として日本国民の税金を投じてグアムに建設される米軍家族住宅や単身用隊舎が、沖縄からの移転部隊のためだけではなく、グアムに一万人規模の「海兵旅団」を新設するためであることが、二十七日までに分かりました。米太平洋軍が今月下旬に公表した「グアム統合軍事開発計画」で明らかになりました。


地図

 日米両政府の在日米軍再編合意では、在沖縄海兵隊の一部とその家族をグアムに移転するとしています。そのために家族住宅約三千五百戸の建設が必要とし、費用(二十五・五億ドル=約三千億円)は全額日本負担としています。移転対象部隊として例示されているのは、第三海兵遠征軍司令部や地上・航空・後方支援部隊の各司令部で、実戦部隊は含まれていません。

 ところが米太平洋軍の計画によると、グアムには、沖縄から移転する司令部に加えて、地上・航空・後方支援の実戦部隊からなる「海兵旅団」(九千七百人)を新設します。全体で家族住宅が必要な兵士は三千六百二十五人(表)で、日米が示している「約三千五百戸」とほぼ一致します。

 同計画では、地上・航空部隊などを「さまざまな場所から(グアムに)移転する」としており、「沖縄からの移転」にはまったく言及していません。しかも計画が移転で最優先しているのは、司令部ではなく、UDP(部隊展開計画)に基づいて米本土やハワイから交代配備される地上戦闘部隊(歩兵大隊)です。これらの部隊の兵士は単身ですが、単身用隊舎も約四千五百人分を日本の負担で建設します。

 在日米軍再編合意では、沖縄にも一万人規模の海兵旅団が残ることになっています。沖縄とグアムに二つの旅団を設け、太平洋地域での米海兵隊の殴り込み能力を強化するため、日本国民の税金投入が狙われており、「沖縄の負担軽減」のためでないことは明白です。

米太平洋軍がグアムでの新設を計画する海兵旅団の編成
(カッコ内は家族を伴う兵士の数)
司令部      2800人(1425人)
地上戦闘部隊 2900人( 450人)
後方支援部隊 1550人( 750人)
航空戦闘部隊 2400人(1000人)
合計       9650人(3625人)
(「グアム統合軍事開発計画」から)


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