2006年9月25日(月)「しんぶん赤旗」
水源を危険にさらす
高レベル放射性廃棄物処分場
共産党が討論会
滋賀
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滋賀県余呉町の畑野佐久郎町長が原子力発電所の高レベル放射性廃棄物の最終処分場を選ぶ文献調査に応募したいと表明した問題で二十四日、日本共産党議員団などが公開討論会を隣接の木之本町で開きました。余呉町はじめ近隣市町から住民や議員、県議など百十二人が参加しました。
参加予定だった畑野町長が急に欠席。日本共産党の吉井英勝衆院議員が、特定放射性廃棄物最終処分場に関する法律の審議経過や、根本にある政府の原発推進政策の問題を説明、参加者の質問に答えました。
吉井議員は「近畿の水源、琵琶湖に危険物施設をつくるのは、近畿の安全、安心にかかわる」とのべ、放射能が半減するのにプルトニウムで二万四千年もかかり、高レベル廃棄物の処理技術は世界でも未解決であることや、琵琶湖西岸の地震エネルギー蓄積を指摘し、埋設処理の危険性をあげました。
また核燃料再処理施設のある青森県も高レベル廃棄物処分場は受け入れていないこと、法律では処分地選定段階で「自治体の同意」が不要であることも指摘しました。
集会では、畑野町長の議会答弁が配布され、調査受け入れによる国の交付金で財政難を打開したいとの考えが紹介されました。吉井氏は「地方財政危機を招いた国がまず批判されるべきだ。原発交付金は麻薬のようなもの」と指摘しました。
余呉町は福井県との県境の町。嘉田由紀子県知事は「琵琶湖の最上流部、淀川水源の源流部に放射性廃棄物処分場はふさわしくない」と反対意見を述べています。