2006年9月25日(月)「しんぶん赤旗」
イラク撤兵運動 米で高まる
「平和宣言」受け各地で
米軍のイラク戦争に反対し、米政府と議会に撤退計画を作成して実行することを求める「平和宣言」にもとづいて、米国の反戦・平和組織が二十一日から一週間、首都ワシントンをはじめ全米各地でさまざまな取り組みを進めています。(ウィスコンシン州ヘイガー=山崎伸治 写真も)
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今年七月、宗教や社会活動の指導者が「平和宣言」を発表しました。「私は大多数の米国民、イラク国民、そして世界の人たちとともに、米国のイラクでの戦争を終わらせることを求める」として、国連総会が定めた国際平和デーの九月二十一日までに「戦争終結の包括的、具体的、迅速な計画」の実施をブッシュ政権と議会に要求。それが実施されない場合、同日から一週間、全米各地で要求行動をすると宣言したものです。
全米最大の反戦・平和組織の連合体「平和と正義のための連合」をはじめ、四十近い全国組織、地域組織が賛同を表明。十九日には、連邦議会議員にイラク撤退を呼びかける統一行動をしました。米政府も議会も、二十一日までに撤退計画を示さなかったため、同日から集会やデモ、議員への要請行動、抗議行動などに取り組んでいます。
二十三日、中西部ウィスコンシン州ヘイガーの農場で開かれたキャンプは、隣のミネソタ州ミネアポリスの退役軍人平和会が開いたもの。さまざまなテーマの討論会の一つでは、同州出身の二人のイラク帰還兵が体験を紹介しました。
二〇〇三年三月の開戦と〇四年十一月のファルージャ攻撃に海兵隊員として参加したマット・マーダーンさん(30)は、「海兵隊員にとっての最大の問題は、PTSD(心的外傷後ストレス障害)とともに薬物依存だ」と指摘。千二百人の部隊で百五十人が薬物依存になり、「除隊したり罰せられたりしたが、結局また前線に送られた者もいた」と語りました。
ウェス・デイビーさん(57)は一九六八年から二年間、ベトナム戦争で陸軍に徴兵され、七年後には生活苦のため予備役に参加。いったんは除隊しましたが、教官として陸軍に復帰し、〇三年一月にイラク作戦のため、クウェートに送られました。「従事したのは心理作戦。詳しくは話せないが、捕虜を尋問した」とつらい体験だったことをうかがわせました。