2006年9月25日(月)「しんぶん赤旗」
うつ病 労災認定
過労で発症、申請8カ月
成果主義NECの元社員
うつ病になったのは過労が原因として、労災申請していた元NEC社員(40)に対し、三田労働基準監督署(東京都港区)は訴えを認め労災認定していたことが、二十四日までにわかりました。本紙「シリーズ職場―心を病むNEC社員」(7月24日―27日掲載)で、成果主義や裁量労働制のもとでの過酷な労働実態を取り上げた男性です。
本紙が告発
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男性は、大学卒業後の一九九〇年四月にNECに入社しました。二〇〇一年七月に医療ソリューション事業部に配属されて間もなくうつ病を発症し、一年足らずで休業に追い込まれ、二年前に退職しました。今年一月に労災申請し、八カ月で認定されました。
職場は、病院などの医療機関に、電子カルテや医事会計システムといった各種コンピューターシステムの販売と管理を行う部門です。システムの提案や立ち上げ、ソフトの不具合にも対応していました。
週三、四回の出張はザラでした。茨城、栃木、群馬、山梨、長野の五県を担当し、社で午前二、三時まで仕事をし、その足で出張先へ行くこともありました。
残業は多いときで月百五十時間以上、通常でも百時間前後に及び、土、日曜の連続出勤もたびたびでした。
配属されて三カ月後には、慢性的な頭痛に悩まされ、次第に全身が震える症状に襲われるようになりました。しかし、会社は適切な安全配慮義務を怠り、長期の入院を余儀なくされました。
男性は「労災が認められてうれしいですが、元気な体で働き続けたかった。精神疾患の原因となっている長時間過密労働を改めてほしい」と話しています。