2006年9月21日(木)「しんぶん赤旗」
「安倍氏はナショナリスト系列」
米大学教授・カーチス氏
『永田町政治の興亡』などの著書があるジェラルド・カーチス米コロンビア大教授は二十日、東京都内の日本外国特派員協会で講演し、自民党新総裁に選ばれた安倍晋三氏について語りました。
カーチス氏は安倍氏と小泉純一郎首相の基盤を比較した場合、小泉首相の「国民的人気」に対し、安倍氏は「ナショナリスト(国家主義者)系列」だと述べ、戦後日本の「平和政策」を根本的に転換する危険性を指摘しました。
日米関係については「何の問題もない」とした上で、「米国にとっての唯一の問題は日中関係だ」と強調。「中国は小泉政権終了後、ただちに日本との関係修復に向かうだろう」としつつ、靖国神社に参拝したかどうかを明言しない安倍氏の姿勢は、「(侵略戦争の正当化に対する)外圧は機能しないと中国に知らしめ、やりたいようにやろうとする」危険な立場だと述べました。
安倍氏の経済政策については、「重要な項目は何もない」と指摘。教育バウチャー制度については、「(市場原理主義という)米国の政策の最悪の側面になぜ固執するのか」と批判しました。
その上で、「個人的には、経済格差の是正や国民皆保険制度の維持などに力を注いでいくことを望む」と述べました。