2006年9月20日(水)「しんぶん赤旗」

安倍長官 どう使った3億円

“料亭通い”年73回

派閥へ上納1000万円

税金(政党助成金)500万円は懐に


 年間三億円もの政治資金を集めた安倍晋三官房長官。どんな使い方をしているのか―。〇五年の政治資金収支報告書で見てみました。


 資金管理団体「晋和会」は、組織活動費(行事費)として、千三百五十六万円余の支出があります。このうち、領収書が必要な五万円以上の「本会 会合費」には、東京・赤坂や銀座、同・墨田区向島などの料亭、国会近くのホテルなどへの支出が五十三件、計九百二十五万四千八百四十九円あります。

■9カ所はしご

 一回に八十四万八千六百六十円を支出(二月二十八日)したり、衆院で郵政民営化法案が審議入りする直前の五月二十四日には、九カ所をはしご、計百四十万円以上の飲み食いをしています。密室での会合を重ねる“料亭政治”そのものです。

 「晋和会」と同一場所にあり、会計責任者も事務担当者も同一人物の「東京政経研究会」も三百六十八万円余の「会合費」を報告。うち、五万円以上の支出は東京・紀尾井町の中華料理店、同・九段の料亭など二十件、計三百二十六万二千九百三十二円。

 領収書の必要がない五万円以下の「行事費」は、「晋和会」と「東京政経研究会」をあわせると、四百七十二万円余。領収書がいらないぎりぎりの額で、支出していたとすると、最低でも九十五回の飲み食いをしていたことになります。五万円以上の計七十三回とあわせると両会で、二―三日に一回以上の飲み食いをしていたことに。

■4議員に配る

 森喜朗前首相、小泉純一郎首相と二代続いた総裁派閥、森派の政治団体「清和政策研究会」に、安倍氏は「晋和会」として一千万円、安倍氏個人として六十五万円を“上納”しています。所属派閥への上納は〇四年にはありませんでした。

 政治団体分の上納額を比べると、森前首相の「春風会」二千二百万円、中川秀直政調会長の「秀政会」千二百万円、町村信孝前外相の「信友会」千百万円に次ぐもので、福田康夫元官房長官の百万円を大きく上回っています。

 一方、派閥議員らへのカネ配りは、〇四年は、実弟の岸信夫参院議員の政党支部だけでしたが、〇五年は、西村康稔(兵庫9区)、西田猛(大阪9区、故人)、宮沢洋一(広島7区)、中野清(埼玉7区)の四衆院議員の政党支部や資金管理団体に配りました。四人あわせて計二百二十万円ですが、森派は西村、西田の両氏です。

■選挙前に寄付

 安倍氏が支部長を務める「自民党山口県第四選挙区支部」の政治資金収支報告書によると、昨年の総選挙公示(八月三十日)の直前の同月二十五日に「選挙関係費 寄付金」として安倍氏本人に五百万円を寄付しています。

 同支部の政党助成金使途等報告書にも、同様の記載があり、政党助成金=税金が五百万円そっくり、安倍氏個人のふところに入ったことになります。


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