2006年9月20日(水)「しんぶん赤旗」
“両国関係に新しい次元を開く”
志位委員長、パキスタン上院議長と会談
イスラムと共産主義を語り合う
【イスラマバード=豊田栄光】日本共産党の志位和夫委員長は十九日午後、イスラマバード市内でモハメド・ミヤン・スムロ上院議長と会談しました。この会談には、十八日のアジズ首相との会談に続いて、ムシャヒド・フセイン・サイド上院外交委員長(パキスタン・ムスリム連盟幹事長)が同席しました。
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スムロ議長はまず、アジズ首相との会談が大変内容の濃いものだったことを詳しく聞いており、首相も非常に喜んでいたと切り出しました。
志位氏は「昨日の首相との会談で、世界の平和秩序、テロ根絶の方途、異なる文明の共存、核兵器廃絶で共通の見解に達したことを喜んでいます」と述べました。
スムロ議長は「私たちには共通点が多い。共感しあえる密接な関係はうれしいですね。世界は多くの困難に直面していますが、共通の取り組みと戦略が必要だと思います」と語りました。
さらに、「日本とパキスタンの政府間の関係はこれまでも良好ですが、それ以外にも政府外の野党と関係を結べたことは、両国関係に新しい次元を開くことになりました」と、日本共産党代表団の訪問を高く評価しました。
またスムロ議長が、欧米でイスラム教への偏見が根強いことに言及したのに対し、志位氏はつぎのように語りました。
「イスラムの教えは平和、寛容、平等だと思います。それは共産主義の理念とも共通するものがあります。しかし、本来の共産主義は、スターリンによって根底からゆがめられてきました。私たちはそれとたたかってきた政党です。今回の訪問は、イスラム社会と、本来あるべき共産主義との新しい関係の第一歩となったと思います」
スムロ議長は「すばらしい表現をされました」と応じました。
スムロ議長は「日本共産党が一九二二年に創立され、以来戦前の困難な時期、戦後の分裂などをくぐりぬけてきながら、自分の考えと戦略を持ってきた政党だということを知っています。二つの大きな共産党の干渉にもかかわらず、自主独立を維持してこられ、チェコスロバキアとアフガニスタンの侵略に対して堂々とものを言ってきた政党です」と述べました。
志位氏は、「日本共産党について大きな知識をお持ちなのは、望外の喜びです。自己紹介の準備もしてきましたが、その必要はないですね」と驚きながら応じました。
会談後、志位氏は、元上院議長や常任委員長を含め上院議員十数名と議長主催の歓迎昼食会に臨みました。日本共産党代表団のメンバーが、各党の上院議員と親しく話し合いました。