2006年9月19日(火)「しんぶん赤旗」

主張

非同盟首脳会議

平和で公正な世界へ活動強化


 非同盟諸国首脳会議がキューバのハバナで「現在の国際情勢における非同盟運動の目的、原則、役割に関する宣言」などを採択し、閉幕しました。国連憲章にもとづき平和で公正な国際秩序を実現するため、連携した活動強化を確認しました。

 非同盟国は、国連加盟国の三分の二近く(一一八)になっています。これらの国々が大きく一致してめざす方向は、非同盟国だけでなく世界各国民の願いにかなうものです。

大国の横暴に抗して

 宣言は、核兵器廃絶、民族自決と主権、領土保全、内政不干渉、いかなるテロにも反対、紛争の平和解決、経済のグローバル化への協力した対処などを重視する活動の基本をまとめています。それを、多国間主義、文明間の対話、途上国間の「南南協力」、国連の民主化などの方法により推進するとしています。

 「非同盟運動の再活性化」は、とりわけ三年半前の前回首脳会議以降、集中的に検討されてきた課題です。この間、イラク戦争に端的にあらわれた米国主導の先制攻撃戦略と一国覇権主義の強まりがありました。

 「単独行動主義や覇権主義的支配」に反対(宣言)し、「より公正で平等な国際関係を導」いて(キューバ暫定国家評議会議長)平和をもたらすために、非同盟運動の役割が今回とくに強調されたのは、そのためです。今回の首脳会議が、核軍縮などで積極的な提言をしたのも注目されます。

 非同盟国はほとんど、植民地支配を受け独立闘争の歴史を有します。いまも大国支配の負の遺産と引き続く干渉を克服するために苦闘している現実があります。それだけに大国の横暴を許さず、新しい平和で公正な国際関係を確立することには、非同盟国の存立がかかり、地球規模の問題を解決するためにも避けられない切実さがあります。

 非同盟運動は一九六一年九月、二十五カ国で始まりました。それから四十五年、いまでは、アフリカのすべての国、アジア・中東のほとんどの国が参加しています。東アジアで加わっていないのは、米国と軍事同盟を結ぶ日本と韓国だけです。中国はオブザーバーです。

 多くが非同盟国の中南米でオブザーバーはブラジル、メキシコなど六カ国。いったん離れたアルゼンチンも、協議に復帰しました。新規参加の四カ国は、すべてカリブ海の国です。

 主権を守り発展するためには、非同盟国としての団結が必要だという思いが、参加を広げてきました。非同盟運動は今日の世界で「平和と開発の信頼できる建設的パートナー」(マレーシア首相)、「(役割発揮の)新段階を迎えている」(ベネズエラ大統領)―こうした首脳の発言は、アジアや中南米で着実に進む平和の共同体への自主的な努力に裏付けられています。

希望ある日本の未来も

 植民地体制の崩壊、国民主権、平和の国際秩序確立の課題は、世紀的な巨大な変化を表しています。新興独立主権国家を主要な構成国とする「非同盟諸国会議は、国際政治の舞台で、平和と民族自決の世界をめざす重要な力となってい」ます(日本共産党綱領)。

 日米安保=軍事同盟から脱し「いかなる軍事同盟にも参加せず、すべての国と友好関係を結ぶ平和・中立・非同盟の道を進み、非同盟諸国会議に参加する」(同)ことが、日本の進路としてますます大切になっています。


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