2006年9月18日(月)「しんぶん赤旗」

官製談合・乱脈同和行政・警察不祥事

連携し行政監視を

市民オンブズマン大会閉幕


 福岡市内で行われていた第十三回全国市民オンブズマン大会が十七日、「行政による不当な情報の隠ぺい」を許さず、「さらに連携して行政の監視活動を続ける」とする宣言を採択し、閉幕しました。大会では、課題別の報告や行政の不正監視などの取り組みを交流。乱脈行政などの実態告発に、どよめきが起こる場面もありました。二日間の発言から紹介します。(本田祐典)


 ワーストは落札率95・8%の宮崎県――。全国市民オンブズマン連絡会議の内田隆事務局員は、公共事業入札の落札率(予定価格に占める落札価格の割合)について、各自治体ごとに入札調書を分析した結果を報告。落札率に全国的な下落傾向が見られるものの、同連絡協議会が「談合の疑いがきわめて高い」と位置付ける落札率95%以上の自治体が依然としてあることを指摘しました。

 都道府県が発注した予定価格一億円以上の工事を対象に調査した結果、最も落札率が高かったのは宮崎県の95・8%でした。熊本県(95・2%)、北海道(94・7%)と続きます。これらの自治体について、内田氏が「ほとんど談合の疑いがある」と指摘すると、会場はどよめきました。

ヤミ融資も

 市民グループ「見張り番」のメンバーは大阪市の乱脈行政について発言しました。異常な同和行政の一例として「解同」(部落解放同盟)系の旧芦原病院の問題をとりあげ、大阪市から病院へのヤミ融資やニセ補助金について報告しました。

 市は「本市が責任を持って返済させる」と、銀行に芦原病院への融資を文書で依頼。「直接の融資を嫌がった銀行に医療事業振興会を経由して融資させた」といいます。病院が返済できないと、市は社会福祉協議会に一億五千万を補助金として支給し、病院の返済を肩がわりさせました。

 また、ニセ補助金は、病院側が必要な経費を申請するのではなく、「申請を市職員が行い、精算報告書も市職員が作成。芦原病院は判を押すだけだった」といいます。

告発に報復

 愛媛県警の裏金問題に関連して、内部告発した現職警察官(仙波敏郎氏)への報復人事の国賠訴訟の経過を、弁護団の今川正章弁護士が説明しました。

 今川氏は、内部告発の記者会見の際、「県警側が仙波氏に事前に面談し、やめてくれという工作をいっぱいやっている。それ自体違法」とし、会見後に、仙波氏を閑職に配置転換したことについて「報復人事」と説明しました。

 愛媛県人事委員会が今年六月、「なんら必要性のない恣意(しい)的な処分で、人事権の乱用」として処分を取り消したことを報告。裁判に勝利するとともに「裏金づくりの実態を解明したい」と述べました。

 「明るい警察を実現する全国ネットワーク」の原田宏二代表は、警察官のけん銃使用について問題提起。元北海道警釧路方面本部長としての経験も踏まえながら「死人に口なし」「犯罪者に人権なし」の風潮があると述べました。

 二〇〇六年の警察官による発砲事件はすでに十七件で、前年を超えています。警察庁が発砲増加の理由としている公務執行妨害の増加について、「警察が職務質問や任意同行の運用を拡大している」ことの反映と指摘。「警察権力を拡大しようとする動き」に危機感を示しました。


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