2006年9月17日(日)「しんぶん赤旗」
同和関連組合の下水道料
奈良市、17年間請求せず
共産党議員が追及
同和向け融資を受けている奈良市のヤマトハイミール食品協業組合(奈良市杏町)に対し、市が十七年間も下水道料金を請求していないなど異例ずくめの対応をしていたことが、十五日の奈良市議会決算特別委員会で明らかになりました。日本共産党の井上昌弘議員が質問したものです。
同組合は、食肉処理後の牛や豚の残さ(残りかす)を加工し、肥料や飼料を製造する目的で設立されました。悪臭などの公害防止対策のため、設立の際、融資や利子補給の形で県と市から合わせて二十四億円の公的資金を受けて設立されました。
このうち二十億円の融資は返済期限まであと四年と迫っているにもかかわらず、わずか三百五十二万円しか返済されていません。ずさんな融資だとして、住民が県を相手に裁判を起こしています。
奈良市は、同組合操業開始にあたって、下水道工事の完了を確認したにもかかわらず、下水道条例に反して、料金の請求をしていませんでした。また、協業化する前には請求していながら組合を設立したとたんに請求をやめたことなど、不明朗な実態が明らかになりました。
奈良市はこの組合の下水道使用量は明らかにしませんでしたが、事業計画では一日二百三十トンの水を使うと記載されており、十七年間分の未請求は相当な額に及ぶとみられます。井上議員は「高齢者にはシルバーパスの改悪などの負担を押し付けようとする一方で、同和関連企業には、下水道使用料金を長期にわたって請求しないといった姿勢では市民は納得しない」ときびしく指摘しました。