2006年9月16日(土)「しんぶん赤旗」
クラスター子爆弾
レバノン領内に120万発
イスラエル軍指揮官が証言
【カイロ=松本眞志】イスラエル紙ハーレツ十三日付は、イスラエル軍が八月十四日までの一カ月に及ぶレバノン攻撃で使用したクラスター(集束)爆弾は、子爆弾の総数で百二十万発を上回っていると報じました。クラスター爆弾は民間人にも多大な被害をもたらすもので、国際的に非人道兵器とされています。
同紙は、作戦に従事したイスラエル軍のロケット砲部隊の指揮官の「村中がクラスター爆弾に覆われた。そこでわれわれは狂気じみた極悪非道の行為を働いた」との証言を報じました。同指揮官は、イスラエル軍がロケット砲で百二十万発の子爆弾を内包した千八百発のクラスター爆弾をレバノン領内に撃ち込んだと述べました。このほかにさらに多くのクラスター爆弾が百五十五ミリ砲弾としても使用され、空爆で投下されたといいます。
また同紙は、レバノン攻撃で非人道兵器の白リン弾を使用したとの砲兵部隊の複数の兵士の証言を掲載しました。証言によると、白リン弾は停戦前十日間に集中して使用されたといいます。
レバノンで活動する国連の地雷除去チームは、イスラエル軍が使用したクラスター爆弾の子爆弾のうち四割がレバノン領内に不発弾として残っていると指摘。その数を五十万発以上と推定しています。また、国連の報告によると、停戦後の十五日間でレバノン市民五十二人がクラスター爆弾の不発弾によって死亡しています。