2006年9月15日(金)「しんぶん赤旗」
母子の粘り実る
授業中、脳脊髄液減少症に
頭痛原因確定→2度申請却下→共産党に相談→再審査→事実認め医療費支給
春名候補ら尽力
三年前、大分県宇佐市の中学校で授業中にバレーボールが女子生徒(16)の頭に当たり、脳脊髄(せきずい)液減少症となった事故で、日本スポーツ振興センターは、事故にかかわる医療費の不支給決定を変更して支給することを母親の轟(とどろき)智恵さんに回答したことが、十四日までにわかりました。支給されるのは、二〇〇三年七月以降の医療費(約百万円)です。
振興センターは、学校管理下の災害に医療費、見舞金を支給する機関です。同センターはこれまで、事故と病気の因果関係を認めず、医療費の不支給を決定。轟さんの不服審査請求も却下していました。
轟さんは七月、この問題で相談を受けた日本共産党の春名なおあき参院比例候補や地元党市議らと、振興センター、厚生労働省、文部科学省と交渉。その際、要請を受けた振興センターは、再審査請求を受理していました。
事故後、女子生徒は、激しい頭痛に苦しめられました。周辺の医療機関では原因が分からず、治療が始まったのは、事故から一年十カ月も経てから。一方、学校側は、事故から一年以上もあとに事故報告書を市教委に提出するなど不誠実な態度に終始しました。
今回の朗報に、轟智恵さんは「医療費支給を決定してくれて感謝しています。この病気の無知から悲劇が起きます。今も原因がわからないまま苦しんでいる子どもたちがたくさんいます。これをきっかけに、学校や医療機関に病気のことが広く知られ、子どもの健康が守られる環境が早くできることを祈っています」と語っています。
春名なおあき候補の話 「母子の努力が実って、本当によかった。理不尽なことがあってはならない。支給決定は、重要な一歩。同じように苦しんでいる方がたくさんいます。早く治療体制を整え、保険を適用して負担なく治療できるよう国に迫っていきたい」