2006年9月14日(木)「しんぶん赤旗」

庶民大増税 なぜなぜ問答

財源論編7

Q財政が大変だから、増税もしかたない?


 「消費税の増税はしてほしくない。でも、国の借金は何百兆円もあるというし、増税なしでは返せないのでは」という意見があります。どう考えたらいいのでしょうか。

大借金国

グラフ

 たしかに、政府の借金がたいへんな大きさになっていることは事実です。来年三月時点で、国と地方をあわせた長期債務残高は七百五十兆円に達する見込みです。これは国内総生産(GDP)の一・五年分に当たります。欧米の主要国の債務残高は、イタリアを除けば〇・五―〇・八年分の範囲であり、日本のような大きな借金を抱えた国はありません。だからといって、「増税やむなし」というのは、短絡的な議論です。

 そもそも、こうした巨額の借金を生み出したのは、自民党政府が進めてきた悪政の結果であり、国民のせいではありません。「財政がたいへんだ」というなら、まず、そうした状況を生み出した原因と責任について、きちんと明らかにして反省すべきです。それもなしに、正しい解決策は出てきません。「たいへんだから国民が増税を我慢してほしい」などというのは無責任のきわみです。

 「増税をいう前に、歳出のムダを削れ」というのが、多くの国民の声です。ただし、「歳出削減」といっても中身が問題です。政府も「歳出削減」といいますが、中身は社会保障など国民の暮らしの予算を削ることです。

歳出削減

 小泉首相は「歳出削減を徹底していくと、もう増税の方がいいという議論になってくる」(六月二十二日、経済財政諮問会議)といっています。社会保障などの予算を徹底して削減したうえに、増税も押しつけようというのです。

 このような「暮らしの予算の削減」ではなく、大型公共事業や軍事費など、ほんとうにムダな予算にこそメスを入れるべきです。そのうえで、財政の立て直しのために増税が必要な場合でも、「どこから税をとるのか」ということが問われます。

 小泉内閣は、史上空前の利益を上げている大企業には大減税をしたままで、所得税・住民税の定率減税の廃止や高齢者への増税など、庶民にばかり負担増を押しつけてきました。このうえ、消費税増税など、認めるわけにはいきません。(つづく)


もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp