2006年9月14日(木)「しんぶん赤旗」

自民党総裁選

「温暖化でコメはよくなる」

札幌 街頭演説で麻生氏暴言


 自民党総裁選候補の安倍晋三官房長官、谷垣禎一財務相、麻生太郎外相は十三日午前、札幌市内でそろって街頭演説を行い、農業問題に言及しました。

 このなかで麻生氏は、北海道産米は味がよくないといわれるが、原因は気温が低いからだとしたうえで、「地球温暖化を心配する人もいるが、温暖化したら北海道は暖かくなってお米がよくなる」などと暴言。「(一次産業従事者は)なんとなくおれたちばかりが割を食っているという感情を持っているかもしれないが、実際はきっちりお金をもうけている頭のいい農家もいる」と述べ、農業衰退の原因を農家に押し付ける姿勢をみせました。

 安倍氏は、北海道のおいしい食べ物の例として海鮮丼や長芋を挙げ、「こうした力をもっともっと、日本のみならず世界に発信を」と、第一次産業従事者の「奮起」を訴え。「農業や漁業は収入がついていかないという発想をしっかり変えていきたい」と具体性のない決意に終始しました。

 谷垣氏は、「ばらまき農政に惑わされてはいけない」と述べたうえで、「私としては品目を横断して経営安定化策をしっかりやる」と強調しました。先の通常国会で自公が成立させた「品目横断的経営安定対策」関連法は、米、麦、大豆など品目ごとの価格政策、経営安定化対策を全面的に廃止し、一部の大規模経営と一定の要件を満たした集落組織に助成対象を限定するもの。大多数の生産者を政策対象から締め出し、食料自給率がさらに低下することは避けられません。

 演説を聞いていた札幌市の無職の男性(58)は「各候補の農業政策を知りたくてのぞいたが、完全に幻滅しました。わざわざ北海道まで来てこんな話しかできないとは、自民党はここまできたのかという思いがします」と語りました。


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