2006年9月13日(水)「しんぶん赤旗」
「対テロ戦争」長期化表明
米大統領が テレビ演説
【ワシントン=山崎伸治】ブッシュ米大統領は同時多発テロ事件五周年の十一日夜、ホワイトハウスから全米にテレビ演説をしました。「今日、われわれは比較的安全だが、まだ安全ではない」との認識を繰り返し、「対テロ戦争」について、「われわれか(イスラム)過激派のいずれかが勝利するまで終わらない」と長期化することを改めて強調しました。
「もしこの敵をいま打ち負かさねば、子どもにテロリスト国家や核武装した過激な独裁者に侵略された中東を残すことになろう」と述べ、主戦場が中東であると指摘しました。
ブッシュ政権のイラク開戦の口実がことごとく崩れるなか、「サダム・フセインが9・11の攻撃に責任を負っていないのに、なぜわれわれはイラクにいるのかとよく問われる。答えは、フセイン政権が明確な脅威だったということだ」と述べ、フセイン政権の「脅威」を口実にもちだしました。そのうえで「われわれが撤退しても、彼らは追ってくる。米国の安全は、バグダッドの街角でのたたかいにかかっている」と、イラクからの米軍の即時撤退を再度否定しました。
ブッシュ氏はこの日、前日から滞在したニューヨークを皮切りに、テロ実行犯乗っ取り機が墜落したペンシルベニア州シャンクスビル、攻撃を受けたペンタゴンを訪問しました。
主要局が通常の放送を急きょ変更して放映したテレビ演説は、「政治的なものにしない」との触れ込みでしたが、十一月の中間選挙を意識。「対テロ戦争」継続を前面に押し出しました。