2006年9月13日(水)「しんぶん赤旗」
「9・11」5年
各地で追悼 イラク撤退訴え
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【ニューヨーク=鎌塚由美】ハイジャックされた旅客機がニューヨークの世界貿易センタービルなどに突っ込み、約三千人が犠牲となった米同時多発テロから五年。十一日には、テロ現場となった各地で追悼式典が行われました。
崩壊した世界貿易センタービルの跡地「グラウンド・ゼロ」では同日朝、ブッシュ大統領らが出席して式典が行われました。遺族が二千七百四十九人の犠牲者の名前を読み上げ、追悼しました。同地には終日、市民や外国人観光客が訪れ、フェンスに張られた犠牲者の写真に見入ったり、黙とうする姿が見られました。
同日夕、地元住民でつくる「ロワーマンハッタン平和連合」は「グラウンド・ゼロ」前で、「平和を求める追悼」を行いました。イラク開戦以来、毎週日曜と月曜の両日に行動を続けてきた住民らは、行き交う人々にビラを配り、米軍のイラクからの撤退を訴えました。
三十年来の地元住民で同グループをまとめるジュリー・ガラントさん(59)は、「(9・11同時テロによる)私たちの悲しみは、戦争を求める叫びではありませんでした」と述べ、9・11事件と結びつけてイラク戦争を推し進めたブッシュ政権を批判しました。「政府の開戦の根拠はすべてでたらめでした。今すぐイラクから撤退すべきです」と語りました。