2006年9月12日(火)「しんぶん赤旗」
製薬業界、9000万円献金
05年 安倍官房長官ら自民20人超に
藤沢薬品工業、塩野義製薬など製薬メーカーでつくる「製薬産業政治連盟」(代表=武田國男武田薬品工業会長)が、小泉首相や安倍官房長官など自民党の厚生族議員ら二十人以上に九千万円もの献金をしていたことが二〇〇五年の政治資金収支報告書で明らかになりました。
報告書によると、〇五年は、政治資金集めのパーティーを五回開催、総額一億四千八百万円を集めています。このうち薬害C型肝炎訴訟の被告企業、三菱ウェルファーマ(旧ミドリ十字)は最高の七百五十万円分を拠出しています。
集めた資金は、寄付・交付金として九千百万円を政治家にばらまきました。
寄付金を受けた政治家は、尾身幸次元経企庁長官、丹羽雄哉元厚相の各七百万円を筆頭に、津島雄二元厚相など自民党の現職議員だけで二十二人にのぼります。
小泉首相や安倍官房長官も厚生族の一員として、それぞれ四百万円の支援を受けています。
「製薬産業政治連盟」は派閥や個々の政治家のパーティー券も大量に購入しており、一回百万円以上の購入だけに絞っても、十六件にのぼります。そのなかには、津島雄二後援会や丹羽雄哉後援会と並んで、民主党財務局百万円というのもあります。
安倍氏は、安倍晋三後援会政経セミナーのパーティー券五十万円分を三回購入してもらっており、寄付金と合わせると、安倍氏への資金提供は計五百五十万円になります。
「製薬産業政治連盟」は二〇〇〇年五月、製薬企業百十社で結成。その目的は「政治の場によき理解者を求め、その政治活動を支援していく」(設立趣意書)とのべています。