2006年9月8日(金)「しんぶん赤旗」
政治資金報告書
防衛施設庁談合企業10社
自民に献金1億円超
不当利得還流
防衛施設庁が発注した工事をめぐる官製談合事件で、競売入札妨害(談合)罪で略式命令をうけたゼネコンなど十社が、二〇〇五年の一年間だけでも自民党の政治資金団体などに一億円を超える献金をしていたことが、八日公表の政治資金収支報告書で分かりました。
これらの企業は談合によって受注額を不当に高くつり上げており、国民の税金が献金という形で自民党に還流する構図が明らかになりました。
自民党の政治資金団体「国民政治協会(国政協)」に献金していたのは、防衛施設庁発注の在日米軍岩国基地や佐世保基地の土木建築工事や空調設備工事などで談合したとして、担当者らが罰金五十万円の略式命令を受けたゼネコンなど十一社のうちの十社。十社合計で一億二百四十六万円を献金していました。
最も献金額が多かったのは大成建設で千九百九十六万円。鹿島、清水建設、大林組などのスーパーゼネコンがこれに続いています。(表参照)
これら十社は、〇二年から〇四年までの三年間でも、国政協に約三億円を献金していました。
〇五年分とあわせると四年間で約四億円にものぼります。このうち、清水建設が最も多く七千二百四十八万円。大成建設が六千七百五十万円。東亜建設工業が六千三百八十万円と続きます。
同事件で、本紙は〇一年から〇四年までに、同施設庁が発注した在日米軍施設における建設、土木などの工事の落札率(予定価格に占める落札額の割合)を調査。その結果、発注工事総数千五百十二件の平均落札率は97・4%にものぼり、予定価格と落札額が一致する落札率100%の工事も百十七件ありました。
この間の契約総額は約三千六十億円。これに公正取引委員会が過去の入札談合事件をもとに推定した、談合による不当利得の平均値18・6%を当てはめると、不当利得は約五百六十九億円です。
これら企業は、談合によって得た巨額の不当利得の一部を自民党に献金として出していた形になります。
談合企業から国政協への献金
(05年分・単位=万円)
鹿島 1926
大成建設 1996
清水建設 1950
大林組 1575
東亜建設工業 1085
鉄建 585
五洋建設 708
りんかい日産 291
大氣社 30
三機工業 100