2006年9月8日(金)「しんぶん赤旗」
志位委員長が韓国・延世大学で学生と交流
共通点多いね
「東アジアの未来のための対話」で講演
【ソウル=丸山聡子】「東アジアの未来のための対話」―。韓国を訪問中の日本共産党の志位和夫委員長が六日、ソウル市内の延世大学で学生らと意見を交わした“特別講義”には、そんなタイトルがつけられていました。教室は、約六十人の参加者で、立ち見も出る盛況ぶりです。歴史学、政治学、経済学を学んでいる学生・院生がつめかけました。
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驚き
「日本共産党の話を初めて聞き、共通する部分が多いと感じました」(史学科四年の女性)、「韓国のみなさんには、独立と民主主義のためにたたかい、自ら歴史を切り開いてきた力強さがあると感じました。若いみなさんと語りあうことができ、今日はとても幸せな一日でした」(志位委員長)。熱心にメモをとり、ときには驚いたように目を見開きながら、初めて聞く日本共産党の話に耳を傾けました。
歴史
冒頭、志位委員長が約四十分にわたって講演。朝鮮の独立運動で命を落とした若い女性の愛国者(柳寛順=ユ・グァンスン)について触れ、「日本共産党にも、日本の侵略戦争に反対し、虐殺された若者たちがいました。この抵抗の歴史は皆さんとの交流の基盤になると思います」と紹介すると、参加者からは感嘆の声があがりました。
志位委員長は、日本の過去の侵略戦争と植民地支配を正当化する流れについて、「この流れを絶ち切ることは、東アジアの平和の共同体をつくるうえでも、緊急の課題です」と話しました。
米軍
講演のあとには、時間内に終わらないほどの質問の手があがりました。
駐留米軍についての考えを聞いた女子学生の質問に対し、志位委員長は「在韓米軍によって様々な事件が起こっていることは知っていますが、在韓米軍の問題は韓国の皆さんが決めることです」と指摘。そのうえで、「大きな展望としては、地球上からすべての軍事同盟はなくすべきだと考えます。いま世界各地で、軍事同盟が解体・機能停止に陥っています。仮想敵をつくる軍事同盟ではなく、EU(欧州連合)やASEAN(東南アジア諸国連合)のような平和の共同体をつくる流れが広がっています」と語りました。
日本
靖国神社参拝問題や教科書問題をめぐり、日本の右傾化を心配する質問も出されました。志位委員長は、全国で五千を超える「九条の会」が活動していることを紹介。「草の根の運動を広げ、手を結び、二度と戦争はしないと誓った憲法九条を守るためにがんばりぬくことを、皆さんに約束したい」と語りかけると、参加者からは大きな拍手が起こりました。