2006年9月4日(月)「しんぶん赤旗」

南アメリカ南部共同市場

IMF総会に共同提案

融資で条件つけるな


 【メキシコ市=松島良尚】南米の南部共同市場(メルコスル)は一日、ブラジルのリオデジャネイロで経済金融相会議を開き、国際通貨基金(IMF)が今月十九日から開く総会で、経済危機に陥っている国に構造調整政策を条件としない融資方針をとるよう提案することなどで合意しました。

 会議には、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイ、ブラジル、ベネズエラの加盟国とボリビア、ペルーの準加盟国が参加しました。メルコスルは域内の自由貿易と対外的な共通関税を原則にしています。正式加盟国の人口は南米全体の約七割、国内総生産(GDP)総額は南米全体の75%を占めています。

 報道によれば、今回の会議は、域内貿易における地域通貨の使用、域内諸国の貿易収支、多国間組織における共同行動の三つでした。

 IMFはメルコスル各国に対しても、社会支出削減や民営化など構造調整政策を受け入れる条件で融資し、それらの条件が各国の社会発展の障害にもなってきました。アルゼンチンはIMF路線に従った結果、経済危機に陥りましたが、その後はIMFと一線を画しながら経済再建を進めています。

 アルゼンチンのミチェリ経済生産相は記者会見で、「IMF融資は客観的要因にもとづくべきであり、IMFが提案する政策条件の実施にもとづくものであってはならない」と強調しました。

 会議では、アルゼンチンとブラジルが、両国間の貿易を現在の米ドル決済でなく、それぞれの自国通貨を用いる「試案」で合意したことも明らかにされました。十二月のメルコスル首脳会議までに決済のメカニズムを具体化します。メディアは両国の「ドル離れ」と報じており、それが域内全体に広がっていく可能性を指摘しています。


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