2006年9月4日(月)「しんぶん赤旗」
庶民大増税 なぜなぜ問答
財源論編 2
Q 社会保障のためなら消費税増税も必要?
時事通信社が七月に行った消費税率引き上げについての世論調査では、「引き上げそのものに反対」がトップで36・6%、「早期引き上げに賛成」はわずか4・6%しかありませんでした。一方、「社会保障財源確保のため早期引き上げもやむを得ない」が26・5%ありました。こういう意見をどう考えたらいいのでしょうか。
まず言えることは、前回見たように、これまで消費税は「社会保障のため」と言われながら、社会保障のためには使われてこなかったということです。消費税を増税しても、それが社会保障に使われるという保障はありません。
しかも、消費税が形式的には「社会保障のために使われた」としても、必ずしも「社会保障の拡充」につながるわけではありません。
日本経団連などは、「企業の社会保険料負担の軽減」を要求し、そのかわりの財源として消費税の増税を求めています。これでは、消費税が社会保障の財源となるといっても、社会保障の企業負担を消費税で肩代わりするだけになってしまいます。
そもそも、消費税は低所得者ほど負担の重い税金です。また、生活保護の受給者や失業者、ホームレスの人など、収入がほとんどない場合でも消費税は課税されます。ほかの税金や社会保険料と違って、減免措置はありません。ほんらい社会保障の恩恵をもっとも受けるべき人たちに、逆に重い負担となるのが消費税です。
こうした「弱いものいじめ」の消費税は、もっとも「福祉財源にふさわしくない」税金です。社会保障の財源を消費税に頼るべきではありません。
高齢化の進行などによって社会保障の費用が増加することは、以前から明らかだったことです。将来を見通して、社会保障の財源を確保するのが政治の責任です。それをせず、大手ゼネコンだけが喜ぶ浪費型公共事業などを続けてきた自民党政府の責任こそ重大です。
社会保障のための財源は、まず歳出の浪費を改めること、そして大企業や大資産家などに負担能力に応じた負担を求めることによってこそ、確保すべきです。(つづく)
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