2006年9月3日(日)「しんぶん赤旗」
パレスチナ支援580億円
国際会議
インフラなどに拠出
【ロンドン=岡崎衆史】イスラエルによる封鎖や攻撃で住民生活が危機的状況にあるパレスチナを支援する国際会議が一日、ストックホルムで開かれ、総額五億ドル(約五百八十億円)の支援を表明しました。そのうち一億一千四百万ドル(約百三十億円)が人道支援に回され、他はインフラ復興などに拠出されます。人道支援のうち、五千五百万ドル(約六十四億円)は国連の緊急支援の枠組みで使用されます。
会議が採択した議長総括は、イスラエルによる封鎖下のガザ地区の状況について、百四十万人の住民が「封鎖、軍事作戦、暴力、公務員への給与支払い停止、失業の急増、電気、給水の低下の結果、極めて困難な状況で生活している」と指摘。イスラエルとパレスチナの双方に対して、暴力行為の停止を求めるとともに、パレスチナとイスラエルの二国併存を定めたロードマップ(和平行程表)と国際法に基づいた交渉による和平実現を訴えました。
議長総括はまた、「人道支援を受ける権利は基本的人権だ」として、パレスチナ占領地の人々の人道支援を保障するよう各国に呼びかけました。
国連のイゲランド事務次長は、パレスチナ住民の間にかつてないほどの幻滅感や絶望、憎しみが広がっていると指摘。パレスチナ問題を「時限爆弾」だと表現し、解決に向けた取り組みを急ぐよう訴えました。
会議は、スウェーデン、ノルウェー、スペインが共催し、三十五カ国と国際機関の代表が参加しました。