2006年9月3日(日)「しんぶん赤旗」
五輪口実 巨額の浪費
党東京都議団
予定地を調査
日本共産党東京都議団は二日、中央、江東両区議団とともに、東京都が計画する二〇一六年オリンピックの主要三施設の建設予定地を現地視察しました。八月三十日に日本オリンピック委員会の国内選考で東京都が立候補都市に決まったことを受け、実施したもの。
参加者は、メーンスタジアムを建設する中央区晴海ふ頭地域、選手村予定地の江東区有明北地区、メディアセンター予定地の中央卸売市場(中央区築地)を調査しました。メーンスタジアム予定地では、地下鉄月島駅から歩いて調査し、「予定地は鉄道の駅から三十分以上かかるのに、観客の移動をさばこうとすれば、公共交通の整備などばく大な投資が必要になる」との声もあがりました。
メーンスタジアムは約十七万平方メートルの都有地を使い、十万人を収容する規模で建設する計画で、日本オリンピック委員会の国内立候補都市評価委員会報告書でも、観客の移動について「より綿密な計画が必要」と指摘しています。選手村は一万八千人規模で、大会終了後は分譲・賃貸住宅とする計画ですが、「売れる見通しがあるのか」という疑問も出ています。
調査に参加した吉田信夫幹事長は「メーンスタジアムのアクセス整備に巨額の費用がかかることや、三方を海に囲まれた会場の災害対策など、大きな問題があることを改めて感じた。五輪を口実にばく大な浪費をするのは許されない」と話しました。
石原都政は五輪の東京招致にあたって、「世界一コンパクトな大会」と説明していますが、三本の環状道路などの大型公共事業を加速させ、七兆円を超える規模の投資を進める方針を打ち出し、都民から「暮らしの応援やスポーツ振興に背を向け、五輪推進なんておかしい」などの声があがっています。