2006年9月2日(土)「しんぶん赤旗」
これが安倍官房長官の金脈
パーティーで9800万円もうけ
税金でストラップ
料亭など6軒はしご
安倍晋三官房長官(衆院山口4区)が一日、自民党総裁選に正式に出馬表明しました。次期首相の最有力候補とみられている同氏の政治資金を調べてみると、企業・団体献金をがっぽり受け取り、一日に六回の飲み食いをするなど、国民の感覚とはあまりにもかけ離れている実態が浮かび上がりました。
二〇〇五年分の政治資金収支報告書は、近く官報で公開予定のため、調べたのは〇四年分。安倍氏が支部長の「自民党山口県第四選挙区支部」、安倍氏の資金管理団体「晋和会」をはじめ、関連政治団体間のおもなカネのやりとりは図のとおりです。耐震強度偽装事件で起訴されたヒューザー社長の小嶋進被告が国会で安倍氏とのかかわりを明らかにした「安晋会」は政治団体の届け出をしていません。
先物関係会社も
「第四選挙区支部」は、地元山口県下関市、萩市などの建設会社や医療法人など百六十三団体・企業から四千万円近い献金を集めています。このなかには、日本ユニコム(東京都中央区)百万円、豊商事(同)五十万円、オリエント貿易(福岡市)三十六万円といった、消費者被害が問題になっている商品先物取引の関係会社も。
「晋和会」は、三回の政治資金集めパーティーを開催。約千六百万円の経費で一億一千四百万円以上集めています。“差益”は、じつに九千八百万円です。
自民党の社会部会長や衆院厚生委員会理事を務めただけに日本医師連盟、日本薬剤師連盟、製薬産業政治連盟、日本薬業政治連盟の献金も千六百万円にのぼります。また、日本医師連盟、製薬産業政治連盟はパーティー券をあわせて三百四十万円分も購入しています。
「安倍晋三後援会」は、「新春の集い」名目で約千五百万円集めたほか、機関紙「フロンティア」発行にともなう広告料収入が約六百万円ありました。
「第四選挙区支部」の収入の三分の一に相当する二千百万円は自民党本部からの寄付ですが、うち千五百万円は国民の税金である政党助成金です。
同支部の収入に「ストラップ販売事業」として二万五千円が報告されています。ちなみに〇一年=百三万五千円、〇二年=二十六万円、〇三年=一万八千五百円と、それぞれ収入がありました。
これは、同支部の〇一年の政党助成金使途報告書にあった「携帯ストラップ作成」(百七十三万二千五百円)に該当するもの。税金で携帯ストラップを作って、四年間で百三十三万八千五百円も、もうけていたことになります。
一方、こうして集めたカネの使いみちは…。
会合費が4割弱
「晋和会」の組織活動費は約二千六百万円ですが、四割弱の九百七十四万円は「会合費」。東京・赤坂や六本木の料亭、中華料理店などで計四十三回の飲み食いをしています。東京・銀座の料亭で一度に四十三万三千六百五十円の支出や、十二月二十七日には、六カ所をはしご、百四十二万円の支出も。
「晋和会」と同一場所に所在し、会計責任者も事務担当者も同一人物の政治団体「東京政経研究会」も日歯連一億円ヤミ献金事件の舞台となった料亭「口悦」で一回に七十九万七千五百二十五円の支出があるなど、計十四回、二百八十三万円の「会合費」があります。
また、「晋和会」の調査研究費のなかに、「書籍購入費」として、侵略戦争美化の教科書を作成した扶桑社への支出が八十万四千円ありました。
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