2006年9月2日(土)「しんぶん赤旗」

海外派兵

初の専門実戦部隊

防衛庁 概算要求で盛り込む


 防衛庁は八月三十一日に決定した二〇〇七年度予算の概算要求で、陸上自衛隊に「中央即応連隊」(仮称)を新設することを盛り込みました。同連隊は〇六年度末までに新設される陸自中央即応集団の中核部隊で、自衛隊初の海外派兵専門の実戦部隊となります。

 中央即応連隊が新設されるのは、宇都宮駐屯地。防衛庁が宇都宮市に行った説明によると、「国際平和協力活動等に迅速に対処する」ことが狙いです。規模は約七百人で、▽連隊本部と本部管理中隊▽三個の普通科中隊―で構成されます。同庁の概算要求資料でも、同連隊の新設を「国際社会の平和と安定のための取組」として位置付け、「国際平和協力活動に活用」するとしています。海外派兵を中心任務にした即応部隊です。

 同連隊は、中央即応集団(規模約四千百人)の下に置かれることになります。同集団は第一空挺(くうてい)団(千葉県習志野駐屯地)や第一ヘリコプター団(同県木更津駐屯地)といった機動運用部隊や特殊作戦群(習志野駐屯地)などの専門部隊を一括管理し、各地に部隊を迅速展開できるようにするため〇六年度中に新設されることになっています。

 同時にその司令部は、陸自の海外派兵に関するすべての計画・訓練・指揮を一元的に実施。海外派兵のための隊員教育を担当する国際活動教育隊も、〇六年度末までに静岡県駒門駐屯地に新設される予定です。

 中央即応連隊は、陸自の海外派兵を一元指揮する中央即応集団司令部直轄の実戦部隊となるのです。

 同集団司令部は当面、朝霞駐屯地(東京都・埼玉県)に置かれることになっていますが、在日米軍再編の日米合意で一二年度までに米陸軍キャンプ座間(神奈川県)に移設される計画です。

 今回の防衛庁の概算要求でも、同司令部のキャンプ座間への移設のため測量・調査費約七百万円が計上されています。

 在日米軍再編の日米合意では、キャンプ座間に米陸軍の新司令部を〇八年九月までに創設することも計画されています。同司令部は、陸軍の海外“殴り込み部隊”=ストライカー旅団などを指揮します。

 キャンプ座間に米陸軍新司令部とともに中央即応集団司令部を置くのは、海外での日米共同作戦の展開に狙いがあります。日本政府も「国際平和協力活動…に際し、在日米軍と自衛隊が共同で対処する」(地元自治体への回答書)ためと認めています。中央即応連隊はまさにその先兵となります。

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