2006年9月1日(金)「しんぶん赤旗」
薬害肝炎訴訟
大臣は被害者に会って
原告ら訴え 早期全面解決求める
「全面解決に向かって動きだして」「謝罪を」――。国と製薬会社三菱ウェルファーマ(旧ミドリ十字)に総額約一億七千万円の損害賠償の支払いを命じた薬害C型肝炎九州訴訟の福岡地裁判決を受けて、全国の原告と弁護団は三十一日、東京・霞が関の厚生労働省前で早期全面解決を訴えました。
「私は何も悪い事をしていません。それなのに薬害肝炎に苦しんでいます。血液製剤クリスマシンを投与された被害者は二十代前半です。結婚の不安や病気とたたかって生きています」と訴えたのは九州訴訟原告の女性(25)。判決で棄却された原告の一人です。「一刻も早く救済を」とマイクで呼びかけました。
全国原告団代表の山口美智子さん(50)=福岡県=は「大臣は私たちと会って被害者の声を聞いてほしい。私たちには時間がありません。長期化や先送りは『死ね』と言っている事と同じです。亡くなった人がたくさんいます。責任を認めて謝罪してください」といいます。
九州訴訟弁護団代表の八尋光秀弁護士は「国はおびただしい命を奪った不作為をこれ以上続けないでください。大臣! 自分の目で、耳で、被害者の声を受け止めてください」と呼びかけました。
集団予防接種でB型肝炎になり、国に損害賠償を求めた裁判で、最高裁で勝利判決を勝ち取った北海道の木村伸一さんも支援に駆けつけました。木村さんは「何の落ち度もないのに肝炎に苦しんでいる被害者はたくさんいます。国は責任を認めてウイルス性肝炎患者の被害に責任をとって」と連帯のあいさつをしました。