2006年9月1日(金)「しんぶん赤旗」
クラスター不発弾10万
イスラエル 停戦直前レバノンに集中投下
国連次長 「非人道的だ」
【ワシントン=山崎伸治】国連のイゲランド事務次長(人道問題調整官)は三十日、国連本部で記者会見し、イスラエルのレバノン南部でのクラスター爆弾の投下と被害について、「90%は紛争の最後の三日間だった」と指摘し、「衝撃的であり、まったく非人道的だ」と非難しました。
イゲランド氏は国連地雷除去調整センターからの情報として、クラスター爆弾が三百五十九カ所に投下され、十万発以上の不発子爆弾が民間人居住地域にばらまかれていると指摘。「この爆弾が数カ月、あるいは数年間残される」と懸念を表明しました。
さらに、クラスター爆弾をイスラエルに供給した国々は「それを使うことについてイスラエルと真剣に話し合うべきだった」と米国などを批判。「十万発もの子爆弾が不発のまま、子どもや女性、農民や商人ら民間人のいる地域に存在するのは許されないことだ」と強調しました。
イスラエルの攻撃について「過剰で一方的」と述べるとともに、レバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラが民間人の中に身を隠していることがこうしたイスラエル側の対応を呼び込んでいると指摘しました。