2006年8月31日(木)「しんぶん赤旗」
政治の流れと共産党
参院比例候補の手記
医師も小泉「改革」反対
谷川 智行 医師
今、どこでも、地域を守り日本の未来を切り開くための真剣な努力と、これまでの枠にとらわれない新しい模索が始まっていると感じます。
山梨県医師会の大久保幹雄会長は懇談の場で「小泉改革で日本の医療制度は駄目になってしまう」「特に、山梨のような小さい県は、真っ先に壊されてしまう」と話されました。先の国会に向けて、医療制度「改革」に反対する署名を県医師会として十二万人分集めたといいます。そして、「医師会の活動を応援してほしい」という要望も出されました。
患者が被害に
医療政策の基本についてはほとんど一致するというのが、この間、医療団体の方々と懇談しての率直な感想です。神奈川県の秦野伊勢原医師会との懇談では、患者さんや地域の医療を第一に考え「被害に遭うのは患者さんだ」と、医療制度「改革」を批判される坂間晃会長の姿勢に共感しました。
三千七百クラブ、十八万人の会員を擁する千葉県老人クラブ連合会の野老(ところ)三佐雄会長との懇談でも、「私たちに何の相談もなく制度を変えるのは許せない」の声があがりました。老人クラブのみなさんの集まりに伺いたいと申し出たところ、「ぜひ来てください」とのお返事もいただきました。
その他、地域の老人会の役員の方々や民生委員さんを訪ねても、高齢者への大増税や医療制度「改革」の問題で対話になります。本当に、対話の壁がなくなってきているということを肌で感じています。
がっちり握手
最近、街頭で宣伝をしていると、若い人や中高生がよく集団で手を振ってくれます。先日、駅前で宣伝を始めた私たちの前を、友達と一緒に歩いていた男子生徒は、私が「若者が苦しめられている」「子どもたちを戦争に行かせてはいけない」などと言うたびに、足を止めてこちらを真剣な表情で見ているのです。二、三歩進んでは立ち止まり、二、三段階段を上ってはまた立ち止まって話を聞いてくれる、ということを数回繰り返しながら、彼は結局、最後まで話を聞いてくれました。演説を終えて、周りの方々にあいさつに回っていると、彼が恐る恐る私のほうに近寄ってくるのが分かりました。私が握手を求めると、彼はほっとしたようににっこり笑ってくれました。がっちりと握手をし、「お互いがんばろうね」と励ましあった私たちの間には、世代を超えた友情が芽生えたと確信しました。
私たちと、私たちが出会い対話を始めた方々との間には、立場や考え方に違いがあることも少なくありません。この立場の違いを超えて、「地域のため」「日本の未来のため」「患者さんのため」「子どもたちのため」という共通の目標に向かって真剣に取り組んでいるものとしての信頼関係が、確実に広がっていることに、私は今の政治の流れの大きな、そして奥深い変化をひしひしと感じています。これからも、心と心が響き合う対話を進めていきたいと、決意を新たにしています。
たにがわ・ともゆき 35歳。活動地域=東京、南関東(千葉、神奈川、山梨)