2006年8月31日(木)「しんぶん赤旗」
五輪候補地は東京に
JOC決定 7兆円開発など問題山積
2016年夏季
二〇一六年夏季五輪の国内立候補都市を決める日本オリンピック委員会(JOC)の選定委員会が三十日、東京都内のホテルで開かれ、東京都が福岡市を破って選ばれました。
両都市のプレゼンテーション(招致演説)の後、JOC理事二十五人と各競技団体の代表三十人からなる選定委員の投票が行われ、結果は東京都三十三票、福岡市は二十二票となりました。
「東京有利」といわれるなかで予想外に票差が開かず、東京の計画への批判票が目立ちました。
国内候補都市に決まった東京都は、〇七年七月に国際オリンピック委員会(IOC)に立候補を申請。一六年の開催都市は、〇九年十月のIOC総会で決定します。
東京都は、五輪招致のカギは財政力や都市機能などの“都市力”だと強調。竹田恒和JOC会長と契約書を交わした石原慎太郎都知事は「最先端技術を駆使して二十一世紀型のオリンピックを見せたい」と訴えました。
一方、落選した福岡市の山崎広太郎市長は疲れ切った表情で「何で負けたのか分からない」と失望感を漂わせました。
しかし、東京都の計画は「都市戦略と一体となっている」(熊野順祥招致本部長)と認めているように、環状道路整備をはじめ七兆円もの巨大開発をともなうものです。くらしや福祉、スポーツ振興を後回しにしたままで、毎年一千億円の五輪基金を積み立てるなど、その計画が都民の理解を得られるか、問題は山積しています。