2006年8月30日(水)「しんぶん赤旗」
教育基本法改悪しないで
高校生が「うちらの声届けよう」
文科省・政党に要請
「うちらの声を届けよう」―。高校生約四十人が二十九日、教育基本法改悪でなく、同法に基づく教育をと文部科学省や政党や国会議員に求めました。要請したのは、受験競争や高学費などといったいまの高校教育に疑問を持つ高校生有志がこの夏休みに結成した「うちらの声を届けよう」首都圏実行委員会です。
教育基本法の学習をして、「この法律にのっとった教育に改善させよう」と話し合ってきました。クラスで呼びかけ、「点数のためだけに勉強するのはいや」「学費のことで進学するのが難しいです」など高校生百人分のアピールを集めて要請に臨みました。
文科省では、自分たちで考えた要請文を読み上げ、「友だちが金銭の関係で中退したり、進学をあきらめることがないような環境を」「先生がテストの点数で私たちを判断・区別する教育から、先生と私たちが向き合える教育に」と求め、「なぜ教育基本法『改正』をしようとするのかがわかりません」と問います。
応対した大臣官房総務課の職員は「現行の教育基本法が悪いと思っていない。改正して教育がよくなるわけでない。改正によっていま教育のなにが大切なのか、国民的議論になる」と回答。高校生たちは「議論をおこすだけなら、別のアプローチがあるのでは」「文科省はいまの教育基本法を生かそうと六十年間頑張ってきたのか」と疑問を投げかけました。
日本共産党との懇談では、穀田恵二、笠井亮両衆院議員、井上哲士参院議員が、高校生が自ら考え、要請したことをたたえ、「一人ひとりの人間を大切にする教育基本法の理念を生かしていきましょう」とのべました。
高校生は「中学校から不登校でフリースクールに通っています。そうしたスクールも補助してほしい」「文科省がもっと教育基本法を生かしてほしい」と語りました。