2006年8月29日(火)「しんぶん赤旗」
庶民大増税 なぜなぜ問答
消費税編 12
Q ガソリン税などとの関係は?
消費税は、「売り上げ」にかかる消費税から「仕入れ」にかかる消費税を差し引いて、税務署に納めます。
もし、「売り上げ」にかかる消費税をそのまま税務署に納めれば、「仕入れ」にかかった消費税も納めることになり、二重納税になります。
戦後の日本では短期間ですが、「取引高税」が導入されました。これは「取引高税」に「取引高税」がかかる累積型の税金です。
消費税がもし累積型だと、5%の税率でも製造・卸し・小売りの三段階で、最終的には16%近い負担になってしまいます。こうしたことを避けるためにとられたのが、「仕入れ」にかかる消費税を差し引く「前段階控除型」です。
ところが、帳簿等が不備であると税務署が判断すると、この「仕入れ税額控除」を認められず、業者に過酷な負担が押しつけられる場合があります。
税に税が
ところで、ガソリン税、酒税などの個別間接税と消費税の関係はどうなっているのでしょうか。
一九八九年に消費税が実施されたとき、酒税とたばこ税については、消費税相当分を引き下げ、税に税がかからないようにしました。ところが、5%に引き上げたときは、こうした措置はとられませんでした。
いま国税庁は、消費税の課税対象である「譲渡等の対価の額には、酒税、たばこ税、揮発油税、石油石炭税、石油ガス税等が含まれる」という見解です。つまり、税に税がかかる「タックス・オン・タックス」を認めているわけです。庶民にとっては何とも腹立たしい限りです。
手練手管
消費者が店で品物を買う場合、二〇〇四年四月から「総額表示方式」になりました。
消費税は、買い物をするたびに怨嗟(えんさ)の的になります。品物の値段のほかに、消費税という余計なものまで払わなければならないからです。
たとえば本体価格九千八百円、消費税四百九十円の場合。一万円札でおつりがくるはずが、消費税のおかげで、一万円札に加えて二百九十円払わなければならない、という痛税感がともないます。
そこで政府は、消費者に、まず“この品物は一万二百九十円ですよ”と認識させ、次の段階で“そのうち、消費税は四百九十円ですよ”ということにすれば、国民の痛税感が薄まるに違いないと考えたわけです。
しかし、こんな手練手管で消費税を定着させ、さらに増税をのませようとしても、うまくいくものではありません。(つづく)