2006年8月28日(月)「しんぶん赤旗」
列島だより
地震に強い学校に
9月1日は「防災の日」
大地震のときにも子どもたちにとって安全・安心な学校施設にということは多くの人々の願いです。阪神・淡路大震災や新潟中越地震で、住民の避難所にもなった学校ですが、その施設の耐震化は遅れています。9月1日は「防災の日」。学校施設の耐震化についてのとりくみを教研全国集会での論議と、茨城県桜川市でみました。
震災時には避難所
地域から「耐震診断・耐震化を」
さいたま市浦和のほまれ会館で開かれた教育研究全国集会2006の「教育条件確立の運動」分科会(十八日)。学校ウオッチングのとりくみを報告する新日本婦人の会埼玉県本部や川口支部の人たちからは、学校施設の耐震診断・耐震化にも、目を向けているとの発言がありました。
新婦人川口支部の峯りみ子支部長は「昨今の事情から、どの学校も門扉が閉まり、中に入っても、数校は入り口に鍵がかかってインターホンで確認されてから、建物の中へ入れてもらうなど、日本の学校が置かれている状況の変化に驚きとせつなさを感じます」と報告。耐震診断、工事については「おおむね完了しているとのことでしたが、あとでまだ未完了のところが多いことがわかった」とのべました。
「学校トイレウオッチングのとりくみ」を報告した東京の新婦人八王子支部の女性も「震災のときには避難所になり、学校のトイレを使うことにもなるのですから」と発言していました。
分科会の共同研究者、土屋基規近畿大学教授は「阪神大震災で児童生徒数百人が亡くなった。その後、震災と学校経営について調査したことがあります。そのとき気づいたのは、地域の人々とかかわりの深い学校ほど、生徒やその家族がどこへ避難しているかなどをいちはやくつかんでいたことです。全国的に耐震化が遅れていますが、構造上の補強と同時に、日常的に地域との連携がなければ地震、災害時の対応もできません。子どもたちの通学上の安全確保も地域の協力なしにはできない。この面で学校も模索を求められています」とのべました。
(孝岡 楚田)
建替え工事、計画的に
茨城・桜川 党市議が対策要求
茨城県桜川市には、幼稚園、小学校、中学校を合わせると十九校あります。市の資料によると、改築を急がなければならない校舎、施設は30%を超えています。日本共産党の菊池せつ子議員は、ことし三月議会で、この問題をとりあげました。
「耐震診断率が10%ときわめて低い現状です」と指摘し、「耐震調査の結果を明らかにし、計画的な建て替えをすすめるよう」求めました。とくに、大和中学校は「危険性のある校舎」であり、岩瀬西中、東中は「横揺れにたいする耐震性が劣っている」との診断結果がでていることからも、早急な対策が必要です。
桜川市にある県立岩瀬高校は、以前からコンクリート破片が落下するなど校舎の危険性が問題になり、この建て替えについても、菊池議員は合併前の岩瀬町議会で二回、とりあげてきました。「何かあったとき(とくに地震など)危険です。危険校舎で生徒を学ばせることがあってはいけないといってるのです」
その後、大内久美子党県議とも連携し、大内県議が県議会で質問。岩瀬町や高校あげての運動が実り、いま耐震設計の段階で二〇〇七年度から建て替え工事が始まることになりました。
同市は、岩瀬、真壁、大和の旧二町一村が合併して昨年十月に発足しました。旧町村議への在任特例の適用で定数が五十と、多数の議員になったことにたいし、住民団体が「議員が多すぎる」と議会解散を本請求。住民投票の結果、議会が解散され、出直し市議選(定数二十六=二十四減)が九月十七日告示、二十四日投票で行われます。
この選挙には、日本共産党から野沢ひろし(55)、菊池せつ子(61)の両氏=いずれも前=が立候補。複数議席の確保と議席占有率のアップをめざします。
日本共産党の二候補は、アンケートに寄せられた住民の声をしっかりうけとめ、学校や県西病院の耐震化、建て替えも訴えていく構えです。
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