2006年8月27日(日)「しんぶん赤旗」

不登校問題

ひとりで悩まないで

全国の集い

親や教師らが交流


 「ひとりぼっちで悩む人をなくそう」、そして「語り合おう 学びあおう 子どもたちをまん中に」と、「第11回登校拒否・不登校問題全国のつどい」(登校拒否・不登校問題全国連絡会など主催)が二十六日、大阪・箕面市の箕面観光ホテルなどを会場に始まりました。全国から七百人を超える親や教師、相談員、研究者、当事者の子どもたちや青年などが参加、わが子のことや学校のこと、子どもたちの未来について話し合いました。

 オープニングは、京都や奈良で活動するフルート教室「ピープルパイパー」のやさしい音色の演奏です。ピアノ伴奏を担当した青年は、「ぼくも小学六年生から中学三年間、不登校でした。『生きててよかった』と思える瞬間が増えてきた」と話すと、大きな拍手が起こりました。

 北海道教育大学大学院助教授の庄井良信さんが、「後ずさりしながら未来へ歩む〜もうひとつの幸福感を考える」と題して記念講演。競争主義・成果主義・効率主義の風が吹き荒れているいま、もう一つの「幸福」を考える五つのメッセージとして(1)「ひとりでがんばれ」から「ひとりではがんばるな」へ(2)「甘えるな」から「上手に甘えなさい」へ(3)「早く、早く」から「ゆっくりあじわいなさい」へ(4)「やればできる」から「時間をかければできる」へ(5)「まちがうな」から「いっぱいまちがってみなさい」へ―をあげました。「うん、うん」とうなずく参加者の姿が目立ちました。

 研究者も交えた二つの基礎講座や、「小学生」「中学生」「さまざまな進路・自立」「『居場所』づくり」「親・家族の役割」など十二テーマに分かれた分科会での話し合いも始まりました。

 文部科学省調査でも、不登校率の増加がいわれる「中学生」の分科会では、「やっといった保健室で一時間もいたら教室に戻れといわれた。この授業ができたから次のこれとせかされて、またしんどくなって不登校になった」など、涙ながらの話もだされました。参加者は率直にそれぞれの立場で、親や学校、地域の連携のあり方などについて交流しました。

 二日目の二十七日は、引き続き分科会がおこなわれ、「おわりのつどい」などもおこなわれます。


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