2006年8月25日(金)「しんぶん赤旗」
図書館の新リストラ方針
都教育委 有料サービス導入
東京都教育委員会は二十四日、都立図書館の新たなリストラ方針を盛り込んだ「都立図書館改革の具体的方策」を策定しました。二〇〇二年の第一次リストラ計画に続くもので、有料サービスを導入、貸し出しサービスの縮小などの方針を打ち出し、関係者から心配する声があがっています。
新方針は、都立三館を中央・多摩の二館に縮小します。年間七十万人が利用している日比谷図書館は廃止し、千代田区に移管しますが、同区と合意ができず、当初の二〇〇八年度移管は延期する見通しです。
中央館は、各階に配置している司書を一階に集約。多摩館に「東京マガジンバンク」を開設し、雑誌の収集点数を増やすものの、中央館で所蔵する雑誌の四割余を多摩館に移し、縮小します。
資料の保存年限を「原則として百年」とし、発行後三十年経過した資料の一部や、複数所蔵する資料は一点を残し除籍(廃棄)します。
区市町村立図書館を通じて都立図書館の資料を貸し出すサービスは、利用者の持ち帰りを禁止します。インターネットを利用した一部の情報サービスを有料化します。
市立図書館長などから「有料サービスの導入は、無料原則を定めた図書館法の精神に反する。利用者間に情報格差をつくる」「日比谷図書館は都民の財産だ。区移管はやめるべきだ」と批判の声があがっています。