2006年8月25日(金)「しんぶん赤旗」
薬害根絶デー
早期解決、国に要求
被害者ら 厚労省前で集会
全国の薬害被害者らは二十四日、「薬害根絶デー」として東京・霞が関の厚生労働省前で集会などを行い、国に薬害の根絶と被害者の早期救済を求めました。
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一九九九年八月二十四日、厚生省(当時)は薬害エイズやサリドマイド、スモンなどの医薬品による悲惨な被害を再び発生させることのないよう最善の努力を重ねていくと同省前庭に「誓いの碑」を建立。全国薬害被害者団体連絡協議会はこの日を「薬害根絶デー」として、毎年行動しています。
集会では、全国で薬害肝炎訴訟をたたかう原告らが「国が安全と認めた薬で私たちは病気にかかりました。国は薬害の全面解決に取り組んでください」と訴えました。
薬害肝炎訴訟全国原告団代表の山口美智子さん(50)は八七年九月に二男を出産した際、止血剤として「フィブリノゲン」を投与され、その後退院時の血液検査で急性肝炎に感染していることが判明しました。山口さんらが、国と企業に損害賠償と治療体制の整備を図ることなどを求めた薬害肝炎九州訴訟は今月三十日に判決を迎えます。
山口さんは「ウイルス性肝炎患者の被害回復をして、薬害が二度と繰り返されないようにしてほしい」と話しました。
日本共産党の仁比聡平参院議員も集会に参加しあいさつ。世界に類を見ないフィブリノゲン製剤の大量使用の背景に当時の厚生省官僚の製薬企業への天下りがあったと指摘。「国の責任を断罪した大阪地裁の判決を受け止め、控訴を取り下げ、全面的な被害者救済体制を整えていくことを求めていきたい」と話しました。
集会後は、「誓いの碑」の前で、川崎二郎厚生労働大臣に要望書を直接提出しました。