2006年8月25日(金)「しんぶん赤旗」
庶民大増税 なぜなぜ問答
消費税編10
Q免税点引き下げで業者への影響は?
「赤字が十二万円。今年から納税者になり消費税が一気に二十八万円になった。これからが大変」?このような声が、全国商工団体連合会(全商連)の営業動向調査(三月実施)の自由回答欄にびっしりと書きこまれています。この調査では「経営上の困難」として「消費税問題」が32・9%と過去最高となりました。消費税の免税点を三千万円から一千万円に引き下げた影響によるものです。
身銭切り
免税点の引き下げで、どのような影響が出ているのでしょうか。四月十二日の衆議院財務金融委員会で日本共産党の佐々木憲昭議員が各地の業者の実態調査をもとにとりあげました。新たに課税される個人事業者が約百二十二万件、法人が約五十三万件。申告しなかった業者が少なくないことも政府の答弁で明らかにされました。
佐々木議員は、新たな課税業者は従業員一―四人の小零細業者であり、申告しないのは納税しようにもお金がないこと、二〇〇三年に一千万円以上の売り上げがあり登録したが、適用される〇五年は一千万円を大きく割っている例も少なくないことを指摘しました。さらに、元請けからの一方的な単価たたきで消費税を転嫁できない業者の例を示し、政府の調査でも消費税をまともに転嫁できていない業者が半数いることを指摘しました。
こういう業者は、消費税を身銭を切って払うことになり、これは、事実上、間接税でなく、直接税的な性格となっていることを指摘。「改正」消費税のもとで、負担に耐えきれず廃業する業者も相当数生まれるのではないかと政府を追及しました。政府は「この税制は、転嫁していただくのが原則でございます」とくり返すのみでした。
対応約束
さらに、佐々木議員は、深刻な営業実態から一括して消費税を納められないので、何とか分納できないかという業者の声を示し、分納あるいは延納も含めて対応することを求めました。
これにたいして谷垣財務大臣は、「分割納付の計画等々を含めて、実情に即した対応をとる」と約束しました。
(つづく)
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