2006年8月25日(金)「しんぶん赤旗」
パロマは雇用守れ
解雇撤回と事故解明要求
全労連・愛労連が本社に
パロマ工業(本社名古屋市)のガス湯沸かし器事故で多数の死者がでていますが、同社は東海三県四工場などのパート・アルバイト従業員に対して解雇通告し、会社の不祥事のつけを労働者に押しつけようとしています。全労連と愛労連は二十三日、名古屋市の本社を訪れ、解雇の撤回を求める申し入れ書を提出しました。全労連の岩田幸雄副議長や寺間誠治組織局長、愛労連の吉良多喜夫事務局次長らが要請しました。
解雇通告されたパート・アルバイト従業員は愛知と岐阜、三重の四工場で約百人。さらに、北海道の五十六人や福岡の五十五人と各地で雇用不安が広がっています。
岩田氏らは、愛知では、すでに解雇された事例があるとして、最高裁判例で確立している「整理解雇の四要件」(真に必要性があるか、解雇以外に手をつくしたか、基準・適用が合理的か、協議・説明をつくしたか)に反する無法な解雇だと追及しました。
応対した総務部長らが「解雇した事実は確認しておらず、至急確認する。いまは解雇を前提とした再就職先の確保に奔走している」とのべました。このため全労連の代表らは「解雇を前提とせず、四要件にもとづいた対応が必要だ。正規の従業員には一時金を夏・冬出すと社長が言い、アルバイト・パートに解雇通告では、人選の合理性、説明責任など四要件に反する。解雇通告はいったん白紙に戻すべきだ」と求めました。パロマは、社長が正社員への一時金支給を明言した事実を認めました。
申し入れ書は、企業の社会的責任を放棄する姿勢を批判し、(1)パート・アルバイトの解雇方針の撤回(2)事故原因の徹底解明と企業体質を改める、ことを要求しています。
東海三県の全労連地方組織では二十三日までの二日間、共同で労働相談を行い、解雇された従業員からの問い合わせが寄せられました。