2006年8月24日(木)「しんぶん赤旗」

日米共同演習のべ416日

05年度

前年度比85日増

海外での戦闘能力強化

実弾爆撃や上陸作戦


 米軍と自衛隊による共同訓練・演習が二〇〇五年度で百六回、のべ四百十六日に達することが、二十三日までに分かりました。〇四年度に比べ、回数で六回増、日数では八十五日も増加しました。本紙の情報公開請求に、防衛庁が開示した資料から判明したものです。


 増加が目立つのは、航空自衛隊(十七回・七十五日増)と陸上自衛隊(二回・五十四日増)。要因は、米軍と自衛隊との一体化を図り、海外での戦闘能力強化につながる訓練が激増しているためです。

 空自は、南西航空混成団(沖縄・那覇基地)と米空軍第一八航空団(同・嘉手納基地)の戦闘機による共同訓練(サザンビーチ)を四回実施しました。防衛庁によると、目的は「戦術技量と日米共同対処能力の向上」。両部隊の共同訓練は一九七九年度に始まりましたが、〇四年度までの年平均回数は一・一回。四倍近い増加です。

 在日米軍再編の「最終報告」(五月)は、嘉手納基地を自衛隊も共同使用し、共同訓練を拡大する方針を盛り込みました。共同訓練の拡大が先行して進んでいることを示しています。

 また空自は、海外初の実弾爆撃訓練をグアム沖の島で実施(昨年七月)。今年も六月に二回目の訓練を行っています。「専守防衛」を建前にしていた自衛隊が、海外出撃・爆撃能力の強化に乗り出しています。

 陸自は、これまで年一回だった米国での共同実動訓練を年二回に拡大しました。米陸軍第一軍団の基地フォート・ルイス(ワシントン州)での共同訓練では、海外“殴り込み”部隊=ストライカー旅団から、イラクでの戦闘の教訓や方法などを実地で学びました(昨年十―十一月)。米海軍コロナド基地(カリフォルニア州)では米海兵隊から上陸作戦の手ほどきも受けています(一月)。

 海上自衛隊は回数、日数とも減少(十三回・三十九日減)していますが、「小規模日米共同訓練」として米原子力空母リンカーンと訓練したのをはじめ、米攻撃型原子力潜水艦と五回の訓練を実施。「戦術技量の向上にとって極めて有益であった」(海自資料)と強調しています。


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