2006年8月22日(火)「しんぶん赤旗」

中央競馬会

発注 出来レース

ファミリー企業12社 随意契約95%


 農林水産省特権官僚の天下り先となっている同省所管の特殊法人・日本中央競馬会(JRA、東京都港区西新橋)が二〇〇五年度に子会社や関係会社に発注した管理業務や清掃・警備業務などの契約のうち、随意契約が約95%も占めていることが二十一日分かりました。日本共産党の紙智子参院議員に農水省が提出した資料から判明したもの。


 随意契約とは、競争や入札なしに相手を選択して随意に契約することです。国や地方公共団体の契約では特別な場合に限られます。会計法は競争入札を原則としており、例外として契約の性質や目的が競争を許さない場合や、予定価格が少額の場合などだけ認めています。

 ところが、実際はさまざまな口実で、随意契約が横行、天下りを受け入れた特定業者との癒着の温床になっていると指摘されています。

 農水省提出資料によると、JRAと子会社四社・関係会社八社との〇五年度の取引総額は、七百十一億円。そのうち競争契約は三十七億円(5・2%)、随意契約が六百七十四億円で、94・8%を占めていました。

 国土交通省が発注した五百万円以上の契約のうち金額で76・7%、財務省が発注した契約のうち金額で90・9%が随意契約なので、JRAはそれより高率だったことになります。

 子会社、関係会社合わせて十二社のJRAファミリー会社には、JRA出身者が常勤役員四十六人中三十五人、非常勤役員二十一人中十六人が天下りしています。

 JRA本体には、元農水省事務次官が理事長に、元九州農政局長が常務理事に、元四国森林管理局長および元東北農政局長が理事に天下りしており、中央競馬会は“農水一家”のおいしい天下り先になっています。

表

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