2006年8月18日(金)「しんぶん赤旗」
賃金支払いの命令
小林争議支援の太田さん勝利
札幌地裁
労働者を二度解雇し、裁判所から厳しい命令を受けている札幌市の運送会社、小林運輸倉庫(小林幸男社長)。七月末には、同社が設立した別会社のワイケイ・コーポレイションで働くトラック運転者、太田浩平さん(28)が申し立てていた仮処分裁判で、札幌地裁は太田さんの主張を認め、賃金の支払いを命じる保全命令を出しました。
太田さんは昨年九月、「解雇撤回を求めてたたかう小林運輸倉庫の仲間の力になりたい」と所属していたワイケイ労組(運輸労連加盟)から建交労に加入しました。これを嫌った会社側は建交労を脱退せよと再三強要し、応じないとみると同十一月、「今月いっぱいで辞めてくれ」とユニオン・ショップ協定(組合を除名されると使用者から解雇されるという労働協約上の規定)を理由に太田さんを解雇します。
これに対し建交労と太田さんが地裁に訴え、今年二月に勝利命令をかちとりました。翌三月に職場復帰しますが、会社は就労させず、他の労働者と引き離して物置に“隔離”しました。
長距離勤務をしていたとき、三十三万円あった手取りは、乗務をはずされると十六万円と激減、生活のめどが立たない日々が続いていました。
命令は「建交労に加盟する債権者を長期間経済的に不利益を伴う状態に置くことにより、動揺や弱体化をはかろうとする意図に基づくものであった」と認定。太田さんと家族が毎月生活を維持していくのに必要な賃金の仮払いを命じました。
太田さんは「七日に妻が無事長男を出産し、私の訴えが認められて、二重の喜びになりました。会社は命令に従い、私への賃金支払いと、建交労小林運輸倉庫分会の仲間たちの争議を解決してほしい」と話しています。