2006年8月18日(金)「しんぶん赤旗」
庶民大増税 なぜなぜ問答
消費税編 6
Q 子育て世帯への影響はどうなる
消費税増税は、子育て世帯にどんな影響があるのでしょうか。
四月に内閣府が発表した「少子化社会に関する国際意識調査」によると、ほしい子どもの数より実際の子どもの数が少ない人に聞いています。アメリカ、フランス、スウェーデンでは、五―七割が「希望数まで子どもを増やす」と答えました。
金かかる
ところが、日本では53・1%が「今より増やさない」と回答したといいます。その理由は「子育てや教育にお金がかかりすぎる」が56・3%で、最も高くなっています。
どのぐらいお金がかかっているのでしょう。全国消費実態調査(二〇〇四年)のデータで計算してみましょう。年収五百―六百万円の世帯の場合です。
子どものいない夫婦世帯(世帯主が三十代)では消費支出は年額換算で平均三百十七万円です。幼児のいる世帯では三百三十万円、高校生を頭に何人かの子どもがいる世帯では三百六十九万円です。大学生がいる世帯では五百二十九万円にもなっています。それだけ、子育てに出費を必要としているのです。
16万円差
消費支出が多いほど、消費税の負担も増えます。図のように、平均的なサラリーマンの場合、子どもがいない世帯と大学生の子どもがいる世帯では、年間の消費税負担が八万円くらい違っています。
もし、消費税率が10%になったら、税負担の差は十六万円以上になります。
大学生の子どもがいれば、所得税や住民税の「子育て減税」として「特定扶養控除」が適用されます。しかし、平均的なサラリーマンでは十万円程度の減税効果しかありません。消費税の負担によって吹き飛んでしまいます。
消費税増税が少子化対策に逆行することは明らかです。(つづく)
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