2006年8月18日(金)「しんぶん赤旗」
空自機の多国籍軍輸送
米軍HPで写真掲載
バグダッド
米空軍の公式ホームページが、イラクのバグダッド空港に初めて乗り入れた航空自衛隊のC130輸送機と同機への搭乗を待つ多国籍軍兵士らの写真を掲載していることが分かりました。兵士は砂漠仕様の戦闘ヘルメットや戦闘服を身につけており、米兵とみられます。日本政府は空自の活動を「人道復興支援」のためと強調しますが、実際の狙いは米軍中心の多国籍軍への支援にあることを示すものです。
多国籍軍兵士を空輸するため空自のC130輸送機がバグダッド空港に初めて乗り入れたのは七月三十一日。写真は八月三日付で掲載されていました。写真説明では、空自の同空港への乗り入れは定期的に行われるとしています。ほかに、バグダッド空港で米空軍兵士がフォークリフトで荷物を空自のC130輸送機に積み込んでいる写真なども掲載しています。
バグダッド空港への乗り入れは、イラク・サマワからの陸上自衛隊撤退の代わりに、空自の活動範囲を拡大したことによるもの。七月三十一日はクウェートのアリ・アルサレム空軍基地―バグダッド空港間で多国籍軍兵士らを輸送しました。
政府は八月四日、自衛隊のイラク派兵に関する「基本計画」を変更し、空自の活動を「人道復興支援」だと強調しました。しかし十一日の国会審議では、日本共産党の赤嶺政賢衆院議員と緒方靖夫参院議員が、「人道復興支援」とは名ばかりで、実態は多国籍軍への支援が中心になることを明らかにしました。
その中で緒方氏は、空自とともにアリ・アルサレム空軍基地を拠点にする米空軍部隊(第三八六航空遠征団)の機関紙を紹介しました。
同紙七月七日号によると、米中央空軍のノース司令官は陸・海・空軍、海兵隊のあらゆる兵士をイラクに送り込むため航空機が使われており、「(空の)機動力によって確実に戦闘作戦が可能になる」と指摘。これは米空軍だけが担っているわけではなく、「われわれの連合軍には韓国空軍、日本の航空自衛隊、さらに多くの国が含まれている」と述べ、空自の役割を強調しています。
バグダッドは、米軍がイラクで展開している「掃討作戦」の焦点となっている地域です。空自の活動は、そうした米軍の戦闘行動を直接支援し、これと一体化するものです。