2006年8月18日(金)「しんぶん赤旗」
生かそう教育基本法
教研全国集会 始まる
埼玉 ホールいっぱい2600人
「教育はめざします。一人ひとりのうちに芽生えたものを大きく花咲かせることを」―。青年たちが群読する絵本『11の約束』(教育基本法)が会場に響き、「定時制高校をなくさないで」「私学助成を」と次々に登壇する高校生たちに大きな拍手がわきます。「すすめよう!憲法・教育基本法・子どもの権利条約にもとづく教育を 力をあわせて」を正面に掲げ、「みんなで二十一世紀の未来をひらく教育のつどい―教育研究全国集会二〇〇六」が十七日、埼玉県内で始まりました。
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全国の教育実践を通して教育基本法の大切さを確かめ合い、秋の国会での教育基本法改悪案の強行を許さない結集の場、「教育基本法教研」とも言うべき集会です。開会全体集会がおこなわれた所沢市の市民文化会館は会場いっぱいの二千六百人の参加者。第二、第三会場でも参加者がモニターに見入りました。
主催の実行委員会には全日本教職員組合(全教)のほかに登校拒否・不登校問題全国連絡会や「非行」と向き合う親たちの会など前回を上回る十五団体が参加。賛同団体を含めると約五十団体にのぼります。
地元、秩父市から参加した教員(52)は「子どもたちも教師も成績主義で追い立てられています。教育基本法が改悪されたらますますひどくなり、学校はどうなるのか。子どもたちがのびのびと学び、教師が自由に教育できるように、改悪を許してはならない」。
静岡の公立中学校教員(42)は「教研集会に参加し、さまざまな実践を聞くことで教育基本法を生かした視点に立ちかえろうと参加しました。子どもたちにどう伝えていくかを考えたい」と話します。
実行委員会の石元巌代表委員(全教委員長)は、教育基本法改悪法案が継続審議となっているなかで開かれる今回の「つどい」を成功させ、教育基本法の大切さを確かめ合い、豊かに発展させようと強調。子どもと教育の困難打開と改悪法案の廃案をめざす国民的な大討論を呼びかけました。
作家の藤本義一さんが「人間再発見」のテーマで講演。韓国・全国教職員労働組合のキム・へキョンさん(真の教育実践局長)があいさつしました。
「教育のつどい」は十八日から二十九分科会が開かれ、最終日の二十日には「どの子にも確かな学力を」「父母と教職員が力をあわせて学校づくり」などのテーマで、八つの教育フォーラムがおこなわれます。