2006年8月16日(水)「しんぶん赤旗」

庶民大増税 なぜなぜ問答

消費税編 4

Q 消費税は「公平な税」?


 「消費税は、多く消費するほど多く負担するのだから公平」という議論があります。そうでしょうか。

「公平」か

 消費税は、一律5%の税率ですから、消費額に比例して税負担額が増えます。消費額に対する消費税の額は、低所得者でも高所得者でも基本的には同じです。しかし、消費額ではなく、収入や所得を基準に考えれば、まったく違う計算になります。

 たとえば、年収が百万円しかない人の場合は、貯蓄をする余裕がなく収入のほとんどを消費に回すことになります。税率5%で消費税は約五万円、収入の5%の消費税を払うことになります。

 一方、年収が一億円もある人の場合、一億円をすべて消費に回すということはなく、かなりの部分が貯蓄に回ると考えられます。もし、一億円のうち二千万円しか消費しなかったとすれば、消費税はその5%で約百万円です。一億円の収入に比べれば1%にすぎません。

 残念ながら、政府の統計では、年収一億円もある高所得者の消費実態はわかりません。総務省の家計調査のサラリーマン標準世帯(片働き四人家族)のデータでは、最高の所得区分が「年収千五百万円以上」となっています。このデータで年収に対する消費税負担率を計算すると、図のようになり、年収の低い層ほど消費税の負担率が高いことが、はっきりとわかります。

 税の「公平」というのは、その人の負担能力に応じて課税されているかどうかで決まります。まったく所得のない人に「税を払え」といっても、それは無理というものです。

収入で差

 ところが、収入がなく預貯金を取り崩したり、サラ金から借金して生活している人であっても、そのギリギリの生活費の中から5%の消費税を払っているのです。こうした人にとっては、消費税が5%上がれば、それは即、生活水準を5%切り下げることにつながります。

 一方、収入の半分以上を貯蓄に回して生活している高所得者にとっては、消費税が上がっても、貯蓄に回す額が少し減るだけで、生活水準を変える必要はありません。

 このように消費税増税の影響は所得の大小によってまったく違います。(つづく)

グラフ

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