2006年8月15日(火)「しんぶん赤旗」
庶民大増税 なぜなぜ問答
消費税編 3
Q 税率アップで負担増は?
消費税の税率をあげたら、どのくらいの負担増になるのでしょう。
みなさんは、年間いくらの消費税を払っているか、計算したことがありますか。
所得税のように給与明細に記入されているわけでもないので、「計算したことがない」という人が多いのではないでしょうか。
二〇〇六年度予算での消費税の税収見積額は、国と地方あわせて十三兆一千五百十九億円です。税率が5%ですから、税率1%あたりの税収は約二兆六千三百億円です。税率を1%上げるたびに、これだけの増税になる計算です。
10%では
税率を5%上げて10%にすると仮定すれば、全国で約十三兆円の増税となり、単純に頭割りすれば、国民一人あたり十万円を超える増税になります。
消費税は個人の消費だけではなく、国や地方自治体が行う公共事業などの支出や物品購入の際にも課税されます。個人の消費でも、家屋や自動車など高額の消費をした時に多額の消費税が課税されます。高額消費がない場合の平均的な課税額は、もっと低い額になります。
実際の負担がどれだけになるかは、総務省の行っている「家計調査」や「全国消費実態調査」などの統計をもとにして、計算することができます。
17万円も
〇五年分の家計調査のデータによると、サラリーマン片働き四人世帯(いわゆる標準世帯)の平均年収は六百六十八万円、年間の消費支出の総額は三百八十四万円です。ここから、家賃・地代、保健医療サービス、授業料などの「消費税非課税」の支出を除くと、三百十四万円になります。
この金額は消費税5%を含んだ金額ですから、消費税額を求めるには、税込み金額百五分の五をかけて計算します。その結果は、約十五万円になります。現実には、「非課税」の品目であっても、その仕入れ原価にかかった消費税は価格に反映されているため、それを考慮した場合の負担額は、さらに一・六万円くらい多くなります。
したがって、税率を10%に上げれば、サラリーマン四人世帯の平均で年間十七万円近い増税になってしまいます。(つづく)
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