2006年8月13日(日)「しんぶん赤旗」
庶民大増税 なぜなぜ問答
消費税編2
Q「歳出削減が先だ」というけれど?
消費税増税に対して、「歳出の徹底した削減が先だ」という議論が政府・与党内にもあります。
もっともな議論に聞こえますが、これも、要注意です。無駄を削れといっているのではありません。
本音を端的に語ったのが小泉純一郎首相です。
「歳出削減をどんどん切り詰めていけば、やめてほしいという声が出てくる。増税をしてもいいから、必要な施策をやってくれという状況になってくるまで、歳出を徹底的にカットしないといけない」(六月二十二日、経済財政諮問会議)
兵糧攻め
これは、「国民生活を兵糧攻めで締め上げたあげく消費税増税をおこなう」(日本共産党第二回中央委員会総会での志位和夫委員長の報告、七月六日)というたくらみです。
とくに狙い撃ちされているのが、社会保障費です。
社会保障費は、高齢化が進むにつれて増えます。これを「自然増」とか「当然増」と呼びます。
小泉内閣は同内閣としてはじめて予算編成をした二〇〇二年度予算の概算要求基準(シーリング)で社会保障費の「自然増」分を三千億円圧縮することを打ち出しました。その後、毎年の概算要求基準で連続して二千二百億円の圧縮を掲げ続けました。
社会保障費の圧縮は、医療改悪(〇二年度)、雇用保険改悪(〇三年度)、年金改悪(〇四年度)、介護保険改悪(〇五年度)、医療改悪(〇六年度)などで具体化されました。
抑制目標
小泉内閣が七月七日に決定した「経済財政運営と構造改革に関する基本方針(骨太の方針)2006」で、社会保障「改革」による過去五年間の抑制額は国と地方で一・六兆円(うち国が一・一兆円)にのぼると誇っています。そのうえで、一一年度までの今後五年間で、社会保障費を国と地方でさらに一・六兆円抑制することを目標に掲げています。
これまでの五年間で与えた規模の痛みを今後五年間で倍加させ、消費税増税もやむを得ないという世論をつくろうというとんでもない作戦です。(つづく)
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