2006年8月10日(木)「しんぶん赤旗」
愛知・派遣会社
賃下げ抗議で解雇不当
社員が勝利和解 労組結成を力に
大手派遣会社高木工業(本社・東京都品川区、社員千二百人、派遣社員約一万人)を相手取り、不当解雇撤回・原職復帰を求めてきた常用型派遣の労働者、太田広樹さん(37)は、会社との和解が成立し、十月から復職することで合意、全面勝利を勝ち取りました。九日に発表されました。
太田さんは、同社中部事業部豊橋営業所から、二〇〇四年六月に一方的に賃金を約一万円引き下げられたため、会社に抗議するとともに労働基準監督署に救済を申し立てました。会社側は、労基署の是正勧告によって賃下げを撤回しましたが、〇四年十月に太田さんへの報復的な解雇を強行しました。
太田さんは、名古屋地裁豊橋支部に解雇の取り消しを求める裁判を起こし、JMIU(全日本金属情報機器労組)愛知支部の支援で労働組合を結成。不払い残業代を払わせ、一方的な寮家賃引き上げの撤回、有給休暇取得などの成果をあげ、会社側を追い詰めてきました。
和解の内容は、会社側が事実にもとづかない解雇理由であったことを認めました。
太田さんは「労働組合の力があったからこそ勝利できた。会社はだまし、脅しで労働者を支配しており、正規の労働者と同じように労働条件を改善したい」と話しています。太田さんはいま、JMIU愛知支部の役員として、労働相談や仲間の支援など、幅広く活動しています。