2006年8月8日(火)「しんぶん赤旗」
教育基本法改悪の早期成立発言
臨時国会に向け自民から
秋の臨時国会に向けて自民党から、継続審議になっている教育基本法改悪法案の早期成立を期す発言が相次いでいます。憲法改悪と結びつけた発言もあり、教育基本法改悪を憲法改悪の踏み台にしようという狙いがあからさまです。
発言が突出しているのは“ポスト小泉”の有力候補といわれる安倍晋三官房長官。四日の大津市内の講演で「九月以降、われわれに課せられた大きな使命は教育改革だ」と述べ、九月の自民党総裁選で政権構想に教育改革をすえる考えを示しました。教育基本法の早期改定も改めて強調しました。
同氏は七月二十八日の自民党東京ブロック大会では「憲法も教育基本法も占領下でできた」「憲法、教育基本法の改正は私たちの世代に課せられた大きな宿題だ」と語っていました。
自民党山崎派が総裁選に向けて発表した政策提言も「教育基本法(改悪案)を早期に成立させ」ることをうたっています。政策提言はメーンテーマに「憲法を改正し『道義国家』をつくる」を掲げ、次期政権の最大の政治課題が改憲にあるという立場を鮮明に打ち出しています。
“ポスト小泉”候補の一人、谷垣禎一財務相は一日の自民党・大島理森衆院予算委員長のパーティーで「教育基本法は一刻も早く(成立させて)日の目を見てほしい」とあいさつしました。大島氏は教育基本法改悪の骨子をまとめた与党検討会の座長です。同パーティーで大島氏も「秋の臨時国会では教育基本法はじめ法案が山積している」と強調しました。
中川秀直政調会長は四日、札幌市内の講演で、次期政権は「教育改革政権になる」と述べ、新たに「教育改革法案」を来年の通常国会で提出、成立を目指すべきだと踏み込みました。