2006年8月5日(土)「しんぶん赤旗」
庶民大増税 なぜなぜ問答
住民税・所得税編7
Q 「景気回復」で定率減税が廃止?
「あれっ、税金が増えている」。給与明細書をみて驚いた人も多いことでしょう。定率減税が半減(所得税は今年一月、住民税は同六月)されたからです。
定率減税とは所得税と住民税の税額の一定割合を差し引く減税です。所得税額の20%(最大二十五万円)、住民税額の15%(同四万円)を税額から差し引くことができました。
小泉自民・公明内閣は、〇五年度税制「改正」で、所得税・住民税の定率減税の半減を決め、〇六年度税制「改正」で全廃(所得税は〇七年一月、住民税は同六月)を決定しました。
もともと定率減税は、小渕内閣時代の一九九九年度税制「改正」で景気対策として導入されたものです。
長期不況に加え、消費税増税や医療改悪など橋本内閣による九兆円の負担増によって、景気が低迷していたからです。定率減税は大企業減税(法人税率引き下げ)、金持ち減税(所得税の最高税率引き下げ)とともに実施されました。
ところが、小泉内閣は依然として低迷している家計に打撃を与える定率減税の半減・廃止を強行。「景気回復」が口実ですが、バブル期を上回る空前の大もうけをしている大企業に対する減税や金持ち減税は、そのまま継続するという逆立ちぶりです。
定率減税の縮減・廃止を率先して求めたのは公明党でした。基礎年金の国庫負担引き上げ財源として、年金課税の増税とともに求めたのです。
定率減税の廃止により、年収五百万円のサラリーマン世帯(妻は専業主婦、子ども二人、そのうち一人は十六歳から二十二歳)で、年間約三万五千円の増税(所得税・住民税の合計)になります。
年間の所得税の増税額が簡単にわかる方法があります。給与所得の源泉徴収票をみてください。摘要欄に「年調定率控除額」が記されています。この額が所得税の定率減税額です。廃止ということは、この額がそっくり増税額になるということです。(つづく)
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